2016年3月11日23時12分
死刑場の写真が載った冊子を死刑囚に差し入れるのを福岡拘置所(福岡市早良区)が認めなかったのは違法だとして、死刑囚と再審請求弁護人が国に計660万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、福岡地裁であった。平田直人裁判長は「裁量権を逸脱し違法」として、計4万4千円を賠償するよう国に命じた。
訴えていたのは、1966年に福岡市で起きた強盗殺人放火事件で死刑判決が確定した尾田信夫死刑囚(69)と再審請求弁護人。弁護人は2010年、尾田死刑囚に冊子を差し入れようとしたが、刑場の写真が掲載されていることを理由に認められなかった。
判決は、尾田死刑囚が弁護人との間で書類などをやりとりすることは法的な保護に値するとした上で「閲覧させたとしても、刑事施設の規律や秩序を害する可能性があるとは認められない」と判断した。ただ、「再審請求の業務にどの程度影響が生じたか、具体的な証拠がない」とも指摘し、慰謝料の額を請求より大幅に少なく算定した。
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朝日新聞社会部
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