馳文科相「育鵬社に猛省促したい」
大阪市教委が中学校教科書の採択で参考にしたアンケートを巡り、育鵬社版を推す回答を増やすための動員に同社が関与した疑いがあることがわかり、馳浩文部科学相は8日、「育鵬社には猛省を促したい。市教委から協力の申し出があれば、事実関係の確認など必要な対応を取る」と述べた。
市教委は昨年6〜7月、市内32カ所に設けた教科書展示場でアンケートを実施。育鵬社版への意見を記した回答のうち、肯定的なものが約7割を占めた。この結果は採択の参考資料となり、市教委は歴史と公民で育鵬社版を初めて採択した。
ところが、その後、東証1部上場の「フジ住宅」(大阪府岸和田市)が、従業員に育鵬社版を推す回答を何度も書かせていた疑いが浮上。毎日新聞が入手したフジ住宅の内部文書では、フジ住宅幹部と育鵬社の営業担当者が、アンケートについて連絡を取り合っていた。【大久保昂、三木陽介】