2016年3月11日19時04分
東京都足立区で男児(当時3)をウサギ用のケージに監禁し死なせたとして、監禁致死と死体遺棄の罪に問われた父親で無職の皆川忍(31)と、母親の朋美(29)の両被告の裁判員裁判の判決が11日、東京地裁であった。稗田雅洋裁判長は「監禁は危険かつ悪質で、男児は劣悪な環境に置かれ、命を絶たれた」と述べ、忍被告に懲役9年(求刑懲役12年)、朋美被告に懲役4年(求刑懲役7年)を言い渡した。
判決によると、両被告は2012年12月~13年3月ごろ、食べ物をまき散らすなどした次男の玲空斗(りくと)ちゃんをウサギ用のケージに閉じ込め、口にタオルをくわえさせて窒息死させ、遺体を山梨県の山林か都内の荒川に遺棄した。
判決は「被害者に知的な発達の遅れがあり、問題行動を繰り返していたとしても、行政機関に相談するなどの手段を尽くすべきだった。被害者に真に愛情を持って接していたとは評価できない」と批判した。
この事件では、男児の自宅を家庭訪問していた児童相談所の対応に問題がなかったか、都が検証している。元児童相談所長でNPO法人「児童虐待防止協会」の津崎哲郎理事長は、「親は虐待を疑われていると思うと、余計に心を閉ざしてしまう」と指摘。「まずは親が相談できる関係を作ることが大切。それでも親が心を開かない場合は強制的に子どもを保護するなど、状況に応じた判断が必要だ」と話した。
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朝日新聞社会部
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