はじめに
この世界は、あらゆるものが右利きが使いやすいようにつくられています。右利きに使いやすいように作られているものの多くは、左利きが使うことを想定しておらず、少数派である左利きはこの状況を耐え忍び、日々多大なストレスを感じながら、なんとか生き延びています。「左利きは右利きよりもストレスを感じやすいため寿命が短い」なんて内容の研究もあったほどです(ただし、以降の検討により信ぴょう性が低いことが指摘されました)。
かくいう僕もこの世に生を受けてから20年間、ずっと左利きとして生活してきました。左利きであることによって受けた苦労は山ほどあり、右利きの人はおそらくそのほとんどを知りません。そこで今回は、「左利きにありがちなことで打線組んだ。」というテーマで記事を書き、世の中の右利きの方に少しでも左利きの苦労を理解していただき、左利きの待遇改善を図ることを目的とします。
打線
1(中) ハサミが使いづらい
2(二) 自動販売機が使いづらい
3(三) 自動改札がスムーズに通れない
4(一) 食事の時の席取りに気を遣う
5(遊) 字を書くとき、手の横が真っ黒になる
6(左) 字が汚い
7(右) 友人に「左利きだったっけ?」と言われる
8(捕) 腕相撲が弱い
9(投) 野球などのスポーツでは謎の期待
解説
1(中) ハサミが使いづらい
まずはハサミ。「左利きに優しくないもの」の代表格ですね。
公共の施設では大抵の場合、左利きのハサミは用意されておらず、使い慣れていない右手でハサミを使うことを強いられるため、キレイに切ることが出来ません。
そのため、力の入れ方を工夫して左手で右利き用のハサミを使えるようになっている猛者も一定数います。
2(二) 自動販売機が使いづらい
自動販売機もまた、左利きに優しくありません。なぜなら、小銭の投入口や釣銭のレバーなど、ほとんどの操作系統が右側に寄せて配置してあるからです。
これらを左手で扱おうとすると、身体を大きくひねるか、自動販売機の正面ではなく向かって右側に移動することが求められます。
3(三) 自動改札がスムーズに通れない
自動改札機の切符投入口やICカードをタッチする部分も、ほとんどが右側に配置されています。左利きが無意識に財布を左手で取り出してしまった場合、左手を体の前方で大きく右側に突き出し、仮面ライダーの変身ポーズのような状態で通らなければなりません。
もし、自動改札の前で少し戸惑っている方がいたら、その多くは左利きです。あまり急かさずに、温かい目で見守ってください。
4(一) 食事の時の席取りに気を遣う
左利きが最も気を遣うのは、おそらく食事の時です。もし右利きの右側に座ってしまった場合、食事中に肘が当たってしまうことに気を取られ、全く食事を楽しめなくなってしまうからです。
4人以上で食事をするとき、必ず左利きはテーブルの左端を陣取ろうと考えています。全員が快適に食事をするために、まず左利きに席を選ばせてあげてください。
5(遊) 字を書くとき、手の横が真っ黒になる
現代の日本語は、横書きの場合左から右へと文字を書いていきます。
右利きの場合は何ら問題ないのですが、左利きの場合、書いたばかりの字を
手の横の部分を擦り付けるようにして字を書くために、左手の横の部分が真っ黒になります。文字も擦れて読みにくくなります。
6(左) 字が汚い
本来、文字は右利きに書きやすいようにつくられています。
右から左に向けて線を書くだけでも、右利きの場合は軽く鉛筆を引くだけですが、左利きの場合は押して書かなければなりません。よって、左利きの多くは鉛筆の持ち方が汚く、筆圧が強くなりがちで、結果的に字が汚い人が多く出てしまうのです。
更に、左利きの宿敵ともいえるのが「習字」。
左手で筆を持つと筆先の方向が反対になってしまうため、多くの書道教室などでは左利きの子供にも右手で筆を持たせます。いつもの逆の手で書いているために、整った字を書けるはずもなく、左利きは字が汚いというイメージを植え付けられてしまうのです。
ちなみに僕自身も左利きでありながら書道教室に通っていたのですが、おばちゃんの先生に無理やり右手で持つように指導され、ぐちゃぐちゃの字を書き続けるだけの書道教室に3年通いましたが、一向に字は上手になりませんでした。
7(右) 友人に「左利きだったっけ?」と言われる
長年付き合っていた友人に「あれ、お前左利きだったっけ?」と聞かれるのも左利きあるあるです。まあ人の利き手なんてそんなに気にしていないので気づいていなかったのは仕方のないこと。
しかし、1年おきぐらいに「あれ、お前左利きだったっけ?」と何度も聞いてくる人がいたりします。その人は覚えていなくても、左利きの人はいろんな人から言われ続けているのでウンザリしています。せめて言うのは一回だけにしてください。
8(捕) 腕相撲が弱い
左利きは腕相撲が弱いです。右利きの人は「腕相撲やろーぜ!」と言うとほぼ100%右腕を出してきます。左利きの人からすれば、最初から大きなハンデを背負っているようなもの。
9(投) 野球などのスポーツでは謎の期待
野球では別段上手いわけでもないのに「1塁への牽制がしやすい」という理由だけでピッチャーに抜擢されることがよくありました。
それ以外でも左利きは「器用そう」などというあやふやした理由で重要な役目を任されることが多いと感じます。謎のプレッシャー。
まとめ
左利きにありがちなことをまとめてみました。
改めて考えてみると、右利きが使いやすいように作られているものってけっこうあるんですよね。上で挙げたもの以外にも、急須とかスープ用のお玉なんかは左利きの人に聞くとあるある!使いにくいよねーって共感してもらえると思います。
右利きの皆さんは、左利きで困っている人を見かけたら少しだけ優しく見守ってあげてください。左利きの皆さんは、これからも強く生きていきましょう!
以上、「左利きにありがちなことで打線組んだ。」でした!