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国内2例目のジカ熱患者を確認 冷静に対応を
3月11日 14時43分

ブラジルに滞在歴があり、発熱や発疹の症状を訴えていた愛知県の30代の女性がジカ熱に感染していることが確認されました。中南米を中心に流行が広がった去年以降、国内で患者が確認されたのは2例目で、厚生労働省は感染経路の特定を進めるとともに現段階では国内で感染が拡大するリスクは極めて低いとして冷静に対応するよう呼びかけています。
ジカ熱への感染が確認されたのは愛知県に住む30代の女性で、発熱や発疹などの症状を訴えて10日に県内の医療機関を受診しました。
厚生労働省によりますと、女性は先月20日まで2週間程度ブラジルに滞在していたということで、11日に国立感染症研究所で女性の血液などを調べたところ、感染が確認されたということです。女性の容体は落ち着いていて自宅で療養しているということです。
ジカ熱は蚊が媒介する感染症で、発熱や頭痛、発疹などの症状が1週間ほど続きます。中南米で流行が広がった去年5月以降感染が確認されたのは、先月に続き2例目です。
女性はブラジルで蚊に刺されたと話しているということで、厚生労働省は感染経路について詳しく調べるとともに、帰国後にどこに滞在したかについても聞き取りを行って、蚊が発生する可能性がある場所の調査や駆除を行うことにしています。
厚生労働省結核感染症課の中谷祐貴子課長補佐は「現在、国内は蚊の活動期ではないため、国内で感染が拡大するリスクは極めて低く冷静に対応してほしい」と話したうえで、「妊婦は流行地域への渡航を控えるとともに、性交渉による感染リスクも指摘されているので流行地域から帰国した男性で妊娠中のパートナーがいる場合はコンドームを使用してほしい」と呼びかけています。

専門家「今のうちに対策を」

感染症の問題に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「国内ではウイルスを媒介する蚊がまだ活発に活動していないため、感染が広がるリスクは非常に低い」としたうえで、「今後も患者が出る可能性はあるし、5月になると本州でも蚊の活動が活発になる。ジカウイルスは感染しても5人に1人しか症状が出ないので、知らないうちにウイルスが広がっている可能性もゼロではない。各自治体は今のうちに蚊の幼虫の駆除など対策を進めておいてほしい。また、これから流行地に行く人は、虫よけスプレーを使用するなど蚊にかまれない対策を徹底してほしい」と話しています。

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