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遺体見つかっていない息子にメール送り続ける
3月11日 14時41分

遺体見つかっていない息子にメール送り続ける
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宮城県南三陸町では、震災のあと、今も遺体が見つかっていない息子を思い、携帯電話にメールを送り続ける両親がいます。
南三陸町の佐藤宏行さん(59)、恵美さん(55)夫婦です。当時、高校1年生だった息子の久佳さんが震災で行方不明になり、今も遺体が見つかっていません。
久佳さんは父親譲りの明るい性格で多くの友達に囲まれていました。佐藤さん夫婦は「助けてあげられなくて申し訳ない」という思いがある一方で、「いつかふらりと帰ってくるのではないか」という淡い希望も抱いています。震災の発生から5年がたった今も2人の時間は止まったままだと言います。
佐藤宏行さんは「私にとって震災はずっと続いています。息子に似たような子がいると目で追いかけています」と話しています。
また、恵美さんは「自分が生きてるうちに会えないとは思うんですけど、きっとどこかにいるっていう思いが私にはあります」と話しています。
震災のあと、佐藤さん夫婦が続けてきたことがあります。息子が持っていた携帯電話にメールを送ることです。メールには、「いまあなたはどこにいますか」、「ばかな父ですいません」などと記されています。
震災の発生から5年となった11日、佐藤さん夫婦は息子の墓へ向かいました。久佳さんの遺体はまだ見つかっていませんが、お墓を建て、お参りをしてきました。2人は、お参りをしたあと、久佳さんの携帯電話に電話をかけました。しかし、電波が通じないか、電源が入っていないかの理由で、通話できないことを知らせるアナウンス音が聞こえるだけでした。
このあと、佐藤宏行さんはメールで短くメッセージを送りました。メールには、「どこに居たの?待ってるからね。父」と記されていました。
佐藤宏行さんは「寂しいです。息子には、助けられなかったから、ごめんという思いが強いです。メールはこれからも送ります」と話していました。

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