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【社会】

高浜3号機 司法判断で初停止

 関西電力は十日午後七時五十九分、大津地裁による高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止め仮処分決定を受け、3号機の原子炉を停止した。稼働中の原発が司法判断で停止したのは初めて。異議や執行停止の申し立てが認められない限り、関電は二基を再稼働できない。全国で運転可能な原発は当面、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)だけとなる。

 高浜4号機は発送電開始作業中に原子炉が緊急停止するトラブルがあり、既に冷温停止状態になっている。

 3号機の原子炉停止作業は十日午前十時ごろに始まった。原子炉の核分裂反応を抑えるため制御棒を挿入、ホウ素濃度を調整して一次冷却系の温度を下げ、午後五時二分、発電と送電を止めた。

 3、4号機の原子炉にはプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を含む燃料集合体が装填(そうてん)されたままで、関電は今後、燃料を取り出すか検討している。

 大津地裁は九日、東京電力福島第一原発事故の原因究明が進んでいない上、規制委の新規制基準にも疑問点があるとし、高浜原発から半径約七十キロの範囲に住む滋賀県の住民の訴えを認め、3、4号機の運転を差し止めた。

 3、4号機の仮処分をめぐっては福井地裁が昨年四月、運転を差し止める仮処分を決定したものの、関電の不服申し立てを受け、別の裁判長が決定を取り消した。これにより3号機は一月二十九日、4号機は二月二十六日に再稼働した。

 

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