2016年3月10日木曜日

根っこを見たから

▲これについて、解説しておきます。

※追記:「らしいな」という印象の正体




長いことプリキュア感想を書いてきましたが、第2話であそこまで落ち込んだ、
あるいは危機感を感じたのは今年が初めてでした。



「まだ様子見しよう」とおっしゃる方も多かったですが、
私がそうも言ってられないと思ったのはタイトルのとおり「根っこ」を見たからです。



゚・*:.:♪*・゜゚・♯*:.。. :*・゜

第1話どころか、新番組情報が出たときから私がずっと気にしていたのは

「このキャラクター、舞台を通して具体的に作者が何を描きたい、伝えたいと思っているのか」

ということでした。

http://teioblog.blogspot.jp/2015/12/blog-post_26.html
▲それが番組説明やPのコメントからは見えない、という不安を語っています



※  ※  ※

過去に見てきたプリキュアは、どんな作品でも
第1話では必ず監督の作品イメージが描かれてきました。

・完全無欠のヒロインによる痛快な物語 とか
・ハデでカッコイイプリキュアバトルを見せたい とか
・かわいい、楽しい絵を沢山作って楽しませたい とか
・少年漫画みたいな王道ガチンコ物語をプリキュアでやりたい 

などなど。


「俺が作るプリキュアはこういうのだぜ!」という監督の個性とか主義主張というのが
感じられたものです。


それは、作品をイメージしたなら自然と出るものだと思います。


「イメージは具体的なほど、表現もまた具体的になっていくんだろうな。」
そのように感じていました。




しかしそれが、今年の第一話では感じられませんでした。

「ふつうのプリキュアを作ろうとしているのかな?」

あるいは

「もらった脚本をそのままなぞろうとしたのかな?」

というのが私の印象でした。





感じられなかったということは、「それが無い、ということではないか」

という不安に変わりました。





※  ※  ※

「俺はこういう作品を作りたいんだ!」という監督の意思の力はそのまま
作品の特徴・魅力に変わるものだと思います。



監督の意思は、

「楽しい絵」「見ごたえのある物語」「味わい深い人物描写」などを
作り出すこだわりになっていく創作意識の源泉だと思います。



指揮者が情熱的なほど、楽団の演奏もまた情熱的になるように。



※  ※  ※

「田中監督らしいな、長峯監督らしいな」などと感じたことは皆さんにもあると思います。

その「らしいな」という印象の正体は、

監督の主義主張・美学がアイディアを生み、
それがこだわった表現という形になって、見る人に伝わった証なのです。



それはアニメにかかわらず、いろんな作品を見て感じ取れるものです。


音楽でも料理でも。






だから、第2話まで見ても監督の意志を感じないという事態は私にとっては
危機感を覚えるに十分だったのです。

「それがあるなら必ず最初に出すはず。」
「最初に出ないなら、それはこの先にも出るはずがない。」

そう考えるから、この反応です。



※  ※  ※






本人に伝える気が無いのにこう言うのもおかしいですが、
監督にはもっと情熱的な仕事をしてほしいな・・


と思うのが、第5話まで見た今の私の気持ちです。








゚・*:.:♪*・゜゚いつもの・♯*:.。. :*・゜

さて、こう書いてしまうと当然言われてしまうのが以下の言葉ですね。
以前の記事のコピペですが、貼っておきましょう。


「だったら見るのやめて別の番組見ればいいじゃん」

「グチばっかり言いやがって」





ハッ!馬鹿言ってんじゃねえ!


お前な!創設以来ずっと同じ球団応援してた筋金入りが最近調子悪い
程度の理由で別球団のファンに切り替えようとなんてすると思うか!?



ワシが言ってんのは「あっちがいいからあっち応援しようぜ」じゃねえ!




「あっちがいいからこっちも負けずに頑張って欲しい」




なんだよ!








そんなにケツが軽くてファンが務まるかってんだ!



同志ならそんくらい言わなくてもわかんだろ!








「わかったわかった」


「荒れてんなコイツ・・・」








全員に分ってもらえるとは思ってない。

けど、俺が言いたいのは

「この監督嫌い」じゃない。



「監督頑張ってくれよ」なんだ。

8 件のコメント:

  1. 私が気になっているのは、今回の魔法つかいプリキュアは「誰の視点でも描かれていない」ように見えることです。
    無印ではなぎさとほのかのふたりが主人公ですが、実際はなぎさ視点で物語は進んでいきますし、Goプリははるかの視点で物語が進んでいきます。

    ところが今回の魔法つかいプリキュアは、主人公はみらいなのでみらい視点で描かれると思いきや、あまりみらいの心情や胸の裡が描かれていないし、みらいのモノローグもない(私が忘れているだけかも知れませんが)。
    かといって、群像劇になるような気配もない。

    結局視聴者である私は誰にも感情移入できずに、和製RPGのようなおつかい物語に見えてしまうんですよね。
    そのあたりもなんというか、販促ノルマでいっぱいいっぱいなのかな、と感じる一因でもあります。

    せっかくキャラクターがみんなかわいいのですから、もっと楽しめたり、アツくなれたりする物語になることを期待します。

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    1. >和製RPGのようなおつかい物語に見えてしまうんですよね。

      そうなんですよね。ちょっとした見せ方の違いだろうと思うのですが、
      印象は大きく違ってしまいますよね。


      >そのあたりもなんというか、販促ノルマでいっぱいいっぱいなのかな、と感じる

      ものすごく「筋書きっぽい」と感じるのはそういうこともあるのかもしれませんね。
      作者がノルマを守ろうと意識すると、物語はどんどん固くなる。

      というのは私も去年何度も経験しました。

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  2. 黙って頭の中で考えていても前に進みませんし、
    整理する意味でも思うことを書き出すのは大事だと思いますよ
    たまったストレスが体に出ますし(病は気からとも言います)

    今期は「漠然と」魔法の世界でドタバタ劇という構想かと思います(主題歌より)
    リコのホウキを自転車に置き換えて、商店街のホウキ屋さんを自転車屋さんとすると、
    普通の下町的な話です
    要はこちらの普通の道具を魔法に置き換えているだけとも言えます
    ですがこれは社会経験を積んだ大人が見るからで、
    子供からすれば魔法のポットも電気ポットも不思議なものでしょうし、
    自転車に乗り始めたらリコのことを思い出すかもしれません
    ということで子供向けとしては悪くないと私は思っています
    ていお先生は理論派だから横展開思考で日用魔法と科学があまり変わらなく見えるのかもですね

    せっかく魔法という題材を選んだのですから、
    監督さんにはその思いを込めた熱い作品を期待しています

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    1. 迷いましたが、発表せずに居られませんでした。

      そのかわり、私の感想に興味をもたれるので無ければ開く気にならないような
      タイトルにしたりして。

      「分ってくれる人だけわかってくれたらいいな」と思っております。


      しかし実は「魔法」とはよほど難しいテーマだと思います。
      便利で何でも出来てしまうからこそ、作者の明確なビジョンと哲学が必要なんです。

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  3. ていお節、いつも楽しく拝読しております。
    さて、最近、オープニングのフルバージョンが聴けるようになり、歌詞が気になってます。
    国、ギャグのツボ、文化、愛し方、痛み。これらが歌詞中で提示される「違い」です。
    この違いを認め合った上で、手を繋いで、素敵と言えることがゴール。そうすれば凄い魔法も復活すると言ってます。
    ギャグのツボ以外が、ガチなだけに、ここが本シリーズのコンセプトなんだろうなと思えます。

    確かにこれまでの展開はしょっぱい部分が多々あり、楽観視出来ないのは明らかなのですが、歌詞を元に作者達の意図を考え直すと、描写に筋が通っていると思えなくもないんです。
    例えば、中韓の反日、ヨーロッパとアラブの対立、そういうリアルに根深い問題の解を出そうとしてシリーズを作っているとすると、作中で描かれる魔法の世界は、せいぜいアラブ文化とか、中華思想とか、ヨーロッパの聖書文化などの隠喩になるはずで、それは異国情緒のような魅力はあれど、やはり人間が生み出した欠点あり長所ありの混沌とした世界なわけです。また、ナシマホウ界は日本の隠喩です。
    そうだとすると、魔法をキラキラに描いて魅力の塊にすることを、最初から回避する必要があり、実際魔法界のキラキラ度合いはあまり描かれていないですよね。
    このシリーズで、本当に人同士の違いを乗り越える解を示すことが出来たならば、多少演出に難ありでもぜんぜんオッケー、崇高なことだと思います。よって、まだまだ目が離せない!
    ていおさんも、フル歌詞からどんな印象を受けたか、いつか書いて貰えると嬉しいです。では。

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    1. そうなのですか・・・

      CDを買う気分になれない私としてはそれもなかなかノレない話です。
      申し訳ないですが・・

      もう少し話が進んで、フルの歌詞と物語の内容が重なった!と思われましたら
      そのときにもう一度ご紹介いただけるとありがたいです。(´・ω・`)

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  4. 名無しのSS2016年3月11日 2:16

    第5話まできて、そういう結論に達してしまいましたか…。

    ていおさん、先に謝罪しておきます。申し訳ありませんでした。
    僕は最初、このまほプリが始まってからの1話2話のていおさんの感想を拝見したときに
    ちょっと厳しすぎるのではないだろうか、と感じたのです。
    それは、前作があまりに自分たちにフィットしすぎていたからで、
    ウエスターの言葉を借りるなら『ドーナツの味を知ってしまった』がゆえに
    まほプリに対して必要以上にハードルを高くしてしまっているのではないかと。
    言葉は悪いですが去年ハピネスチャージの後にこのまほプリが始まっていたら
    それなりに楽しめたのではないかと。
    なので、しばらくしたら落ち着いてくるのかな、なんて失礼なことを思っていました。

    それがここ第5話まできて、水準を今年のプリキュアに合わせてくるどころか
    逆に違和感を分析し、さらに深く追求されるとは…。
    このサイトに足を運ぶようになって6年目になりますが、
    改めてそのプリキュアにかける情熱には感服します。

    身勝手な意見ですが、やはり頻繁に足を運ぶ身としては
    辛辣な意見よりも絶賛の嵐が吹き荒れている方が幸せな気持ちになれるので
    いわゆる2クール目以降、なんらかのテコ入れが入ることを期待しています(^^;

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  5. >去年ハピネスチャージの後にこのまほプリが始まっていたらそれなりに楽しめたのではないかと。

    結果論で申し訳ないですが、それは確実に無いです。
    立ち直る暇なくさらに落ち込んでいたと思います。東映アニメーションという会社に噛み付いていたかもしれません。
    恐ろしいことです。

    もちろん、そうなる前に感想書くのやめますけどね。


    >辛辣な意見よりも絶賛の嵐が吹き荒れている方が幸せな気持ちになれるので

    それはもちろん私もそうです。

    プリンセスの分析をしている間はたのしかったです。
    「たのしい」という感情を読んでいる人に届けられるということも幸せでした。


    だから、今年もそうなって欲しいのです。

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