広島県府中町の町立府中緑ケ丘中学校3年の男子生徒(当時15)が自殺した問題で、学校が作成した調査報告書から、担任教諭が生徒との面談で、誤って記録された万引き行為について詳細を確認していないことがわかった。昨年11~12月に5回あった面談はいずれも廊下で行われ、立ち話もあった。報告書は、男子生徒は「どうせ言っても先生は聞いてくれない」と保護者に話していたことも明らかにした。

 学校側がまとめた調査報告書は2月29日付で約50ページ。坂元弘校長がまとめ、10日に朝日新聞の情報公開請求で開示された。

 報告書によると、面談は昨年11月16日ごろ~12月8日、給食の準備時間などを使って計5回行われた。いずれも教室前の廊下で、坂元弘校長によると長くて5分ほどだったという。個別面談が6クラス同時に行われ、担任は場所の確保が難しかったとしている。