「福島県産ためらう」依然15% 食品調査
消費者庁、放射性物質の風評被害に関する意識調査
消費者庁は10日、東京電力福島第1原発事故による放射性物質の風評被害に関する今年2月の意識調査結果を発表した。放射性物質を理由に福島県産の食品購入をためらう消費者は15.7%で、昨年8月の前回調査を1.5ポイント下回った。減少傾向だが、「ためらう人」は依然として1割を超えている状況が浮かんだ。
福島県によると、昨年4月から先月までに、県産の農林水産物計490品目について2万2514件の放射線モニタリング検査を実施。99.9%の2万2496件は基準値以下で、基準値を超えたのは山菜・キノコ類など18件のみだった。
同庁の調査は2013年2月から半年ごとに被災地と被災地産品の主な消費地の計11都府県を対象にインターネット上で実施。2月は5176人が回答した。
調査結果によると放射性物質を理由に「福島県産の食品購入をためらう人」は初回調査が19.4%。その後減少傾向だったが、同原発を訪れた主人公が鼻血を出す場面を描いた漫画が議論を呼んだ後の14年8月調査で19.6%と最高に。その後は再び減少していた。
一方、食品中の放射性物質の検査について「検査が行われていることを知らない」と答えた人は今回調査で、全体の36.7%と過去最高だった。
福島県産の食品購入をためらう人が依然、1割を超える結果について同庁は「『よく分からないが不安なので食べない』という人もいる。地道に情報発信を続けていくしかない」と話している。【塩田彩】