集団という恐怖に対して、どうする中学生
父、母、そして主人公である中学1年生の息子。
新品価格 |
平凡な家庭に突如、変化が起こる。
放浪の相場師といわれた男が、母に遺贈する。
その金額、5億円。なぜ?
家族の中でも上手く咀嚼できてない中、周囲の態度も変わってくる。
脅迫まがいの電話や、誹謗中傷。
母と相場師の間の関係も疑われ、父は家出する。
突如舞い込んだ大金が家族をバラバラにしてしまう。
なにが真実かわからない。
そんな状況に耐えかねて、息子は友達とともに動き出す。
母と相場師の関係は?
自分は本当に父と母の子であるのか?
真実はどこにあるのか?
「僕が出会った情けというヤツは、さいころの形をしていて、
振ってみないことには、どの目が出るかわからなかったから」
テンポよく進む展開に、中盤からのどんでん返し。
どこまでが真実か?
そして相場師の最後の大博打とは。
社会の度量の狭さ
「この社会は、純然たる幸運を許してくれるほど、度量が広くないのでありましょう」
言われのない誹謗中傷をうける家族に届いた手紙の中の一節。
出る杭は打たれるという言葉そのもの。
目立ったら、褒められるよりも多く、妬まれるという悲しい環境。
人の幸福を祝うことのできない同調圧力が存在する。
どうしたらこの状況から脱却できるのか。
希望がないと感じてしまうからだろうか。
今日よりも明日が良くなると信じられないからだろうか。
少なくとも国に対して誇りを持てる人間が増えることが望まれる。
「なんでも僕のせいにしないでよ、と思ったから。
僕のために我慢してるんだって言わないでよ、とね」
母親に向かって息子が言うセリフ。
自分の行動を決める際に、人を言い訳にしてしまうこと。
僕にも心あたりがある。
自分で決めることができないのはなぜだろうか。
自信がないからだ。
後悔のない生き方をしよう。
中学生が政治家について物申す
「あとの政治家は、みんな派閥のロボットだもんな」
中学生が政治家についてコメントする。
良い表現だと思う。
今もそう。
派閥を代表しているだけであって、個人としてのカリスマ性があるかと問われると疑問符しかない。
そもそも、個人として選ばれているはずなのに、党に縛られている。
過半数を取るための駒でしかないのだろうか。
もっと個々人の意見を出して、国会でちゃんと議論すべきだと思う。
党の方針がどうこうとか、当事者から逃げているように見えるのだ。