北陸新幹線、京都駅経由3案に 湖西、小浜ルート除外
北陸新幹線の敦賀以西ルートを検討する与党委員会は10日、JR西日本が提案した「小浜-京都」、京都府と京都市が要望する「小浜-舞鶴-京都」、滋賀県などが求めている「米原ルート」の3ルート案を調査対象とすることを決めた。国土交通省は4月以降、建設費や時間短縮効果、需要予測などについて半年がかりで調査する。
与党委員会は、沿線府県や経済界などへの意見聴取で「京都経由」を求める声が多かったことを踏まえ、「最大公約数を取った」という。詳細な調査ルートを確定させるため、今後は駅の設置場所などについても議論する。琵琶湖西岸を走る「湖西ルート」は沿線府県から要望がなく、福井県小浜市から京都府亀岡市付近を通って大阪市に至る「小浜ルート」は京都駅を通過しないことから対象外となった。
一方、京都駅以西については、京都駅と新大阪駅を別線でつなぐJR西案や、大規模災害時の代替機能を考慮し京都駅-天王寺付近をつなぐ京都府案もあり、今後も協議を続ける。京都府が求めた関西空港への延伸については、同委員会で議論しないことにした。
会合後、委員長の西田昌司参院議員(京都選挙区)は「(調査対象から外れた)亀岡市には申し訳ないが、現実的に成功させるには京都駅を外すことはできない。異論はなかった」と述べた。滋賀代表委員の上野賢一郎衆院議員(滋賀2区)は「公平で客観的に調査した結果を踏まえ方向性を出したい」と話した。
国交省は新年度予算案に整備新幹線建設に関わる調査費約8億4500万円を計上している。
【 2016年03月10日 22時50分 】