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奥が深いキャッシュバック問題、ケータイ販売店の評価システムを見直すべき
昨年、話題となった携帯電話の料金引き下げ議論。携帯電話大手3社は毎月のデータ通信量が少ないライトユーザー向けの料金プランを発表し、2月1日以降は実質0円を下回る端末販売を中止したことで一応の決着を見た。
とはいえ、不健全な競争の是正に向けた取り組みは始まったばかり。まずは高額な端末購入補助とキャッシュバックの抑制を促し、その削減分を料金下げに振り向けてもらうことを想定している。これを一気に進めれば、業界への影響が大きいため、総務省はかなり慎重な手順を踏んだ。
このため、携帯電話大手3社が発表したライトユーザー向けの料金プランが「大した値下げになっていないのは当然」(総務省の有識者会議の構成員を務めた野村総合研究所の北俊一・上席コンサルタント)。今の総務省に料金規制の権限はなく、仮に規制強化で大幅な値下げを求めれば、それこそ行き過ぎた介入になる。結果、上記のような回りくどいプロセスとなっており、是正までに「3年程度かかる」(同)という。
つまり、成果が現れるのは先の話なのだが、ネット上の反応を見ると、失望の声が広がっている。端末の実質負担額やキャッシュバックについても誤解が多い印象を受けるため、以下で改めて補足しておきたい。
適正化の第一歩は「MNP偏重の是正」
最も多そうな誤解は「2月1日以降、端末価格が一斉に高騰した」というものだ。実際、携帯電話大手3社は、昨年12月の総務省の要請を受け、端末の実質負担額を引き上げた。NTTドコモが端末購入補助(月々サポート)を適用した後の実質負担額を1万円以上とする方針を決めると、KDDI(au)とソフトバンクも同水準で追随した。
ただし、実質負担額が一斉に高騰したわけではない。日経コミュニケーションの調べによると、大幅な見直しが入ったのは、主にMNP(モバイル番号ポータビリティー)の転入者向けの実質負担額である。それまでは実質0円、あるいは端末価格を上回る還元も珍しくなかったが、2月1日以降は軒並み1万円以上に引き上げた。
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