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ホンダが新型燃料電池車を発売 3分の水素充填で750キロ走行 5人乗りを実現
ホンダは10日、約3分の水素充填で約750キロ走行する新型燃料電池車(FCV)「クラリティ フューエルセル」を発売した。燃料電池システムを小型化し、セダンのFCVで初めて5人乗りにした。初年度は自治体などへのリースで展開し、約200台の契約を計画する。
FCVは水素と酸素の化学反応で発生する電気で走り、走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しない「究極のエコカー」とされる。トヨタ自動車が平成26年に4人乗りの「ミライ」を発売しているが、新型クラリティは燃料電池システムを車体下部からボンネット内に移して車内空間を広げた。1回の充填で走行できる距離はミライよりも約100キロ延ばした。
年内に米国や欧州に投入し、29年にも国内で一般販売を始める方針だ。希望小売価格は766万円。国や地方自治体の補助金を使えば実質負担は500万円を切る見込みだ。
ホンダはこの日、FCVで発電した電力を家庭用電源に変換する持ち運び型の給電器も発売した。停電時に医療機器などの電源にもFCVを活用できる。八郷隆弘社長は発表会で「FCVはガソリン車に置き換わる移動手段として有望だ。災害に強い社会にも貢献できる」と述べた。