アイサツ、していますか? 4月の訪れまでもうすぐ。4月は新生活の季節。新社会人の季節ですね。アイサツの重要さが一年を通してもっとも身にしみる時期と言えるでしょう。
現代社会においても、古代社会においても、アイサツはとても大事です。アイサツとは、社会の潤滑油……。自分が何者であるかをその場の人々や会話の相手に開示し、リスペクトをもって臨みますよ、と宣言する行動です。
ビジネスにおいて、たとえば、現場に入った時にアイサツをしないでスッと入ってきて何かやっている人間は、その場の人々に無用の緊張を与え、すごいイラッとさせますし、最悪の場合、不審人物として囲んで棒で叩かれる可能性すらあります。最初のアイサツ・タイミングを逃すと以後の対人関係の是正は難しくなります。
そのままズルズル行ってしまって信頼関係が築けず、気まずい関係になってしまい、ケジメ……セプク……そんな未来は考えたくありませんね。たかがアイサツ、されどアイサツ。アイサツの有無で人生を変えかねない、まさに重大な分岐点、それが対人関係のスタート地点なのです。逆に言えば、最初にアイサツさえしておけばなんとかなりますので、そこをしくじらないように気をつけたいところです。
ニンジャ社会におけるアイサツ
ボンド&モーゼズは礼儀作法によって社会を円滑に回す日本社会に重大な関心を寄せており、アイサツやオジギを作中に採り入れています。ニンジャは戦闘を行うにあたって、お互いにアイサツを行います。どちらかがアイサツをしたら、原則的に、もう一方も返さねばなりません。
アイサツは、「ドーモ」というアイサツ・ワードから始まります。相手の名前を挙げ、ドーモするわけです。その後、自分の名前を名乗ります。この一連のアイサツ時には、オジギを伴っている事が多いです。
「ドーモ、ミニットマン=サン。ニンジャスレイヤーです」風に乗って、ニンジャスレイヤーのアイサツが届く。ミニットマンは怒りに震える手を合わせ、アイサツを返した。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ミニットマンです」
— Ninja Slayer (@NJSLYR) 2010, 7月 24
作中で初めて行われたアイサツ。怒りに震えていても、アイサツをするのだ。
オジギが終了すると、戦闘が開始されます。「アイサツは大事だ。古事記にもある」と作中で繰り返し言われているように、対面においてアイサツを正しく行わない者は戦闘者として奥ゆかしくないとされ、組織内での評価も落ち、最悪ムラハチされてしまいます。
「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン、レイザーエッジです」「ドーモ、レイザーエッジ=サン、ニンジャスレイヤーです、イヤーッ!」オジギ終了から僅か0コンマ1秒!ニンジャスレイヤーはその右腕をムチのようにしならせてスリケンを4連発で投擲していた!タツジン!
— Ninja Slayer (@NJSLYR) 2011, 5月 15
アイサツが終わった後どう動くかが大事
アイサツ直後に攻撃を行うのは少しも卑怯ではありません。とにかく、アイサツ中に攻撃を行ってはいけません。なぜなら、アイサツ中に無防備になっているのは、相互の信頼……敵であっても最低限のリスペクトをはらう精神に依っているからです。「それをやっちゃあ、おしまいよ」という言葉が日本にあります。そういう事だと思います。
ニンジャスレイヤーがオジギを返そうとした時、さらに一人のニンジャが背後に現れた。格子模様のニンジャ装束で、背中に巨大な機械を背負っている……ドラム式の大口径ガトリング・ガンだ。「ドーモ、はじめましてニンジャスレイヤー=サン。ビーハイヴです」
— Ninja Slayer (@NJSLYR) 2010, 12月 24
ビーハイヴは腰を90度に折って最オジギをする。いきおい、背中のガトリング・ガンの銃口がニンジャスレイヤーを向く。その時!「イヤーッ!」「グワーッ!?」な、なんたる卑劣非道か!その姿勢からビーハイヴはガトリング・ガンを発砲したのである!もはや言葉も出ぬほどのスゴイ・シツレイだ!
— Ninja Slayer (@NJSLYR) 2010, 12月 24
とにかくやってはいけない行動の代名詞となっているビーハイヴの「オジギ中ガトリング」
— njslyr_ukiyoe (@njslyr_ukiyoe) 2014, 9月 7
ヤクザ天狗は狂っているし非ニンジャなので仕方がない
・逆に言えば、「アイサツをされたら返さねばならない」「アイサツの『最中』に攻撃をしかけてはならない」という点さえ気をつけていれば、礼儀作法を踏み外すことはありません。
ニンジャヘッズの間で、「アイサツ前に攻撃を仕掛けているが、これはいいのか?」「スナイパー・スリケンによる遠距離攻撃はシツレイにあたらないのか?」「ステルス状態から攻撃をかけているのはいいのか?」などの疑問が出ることがしばしばありますが、これらはすべて「アイサツの最中はダメ」という原則を見れば答えは自明です。
・お互いにアイサツをせずにいつまでも殴りあっているのはかなり奥ゆかしくないですが、この場合はお互い様なので、ギリギリNGではありません。
・自分に対して直接名指しでアイサツを行った相手に対し、アイサツを返さずに攻撃するのはシツレイです。リスペクトを欠いた形になるからです。
・相手の死角からの奇襲攻撃を仕掛ける場合、そもそもアイサツを受けていないので、問題ないという事になります。
実践編
スキットでシチュエーションひとつひとつを学んでいってみましょう!
その1
ニンジャAはニンジャBに対し、お互いオジギが終了した時点からコンマ02秒後にサマーソルトキックを繰り出し、防御姿勢を取る前のニンジャBにクリーンヒットさせた。
→ OK (防御が遅れたニンジャBの不覚悟)
その2
ニンジャAは敵のニンジャBと向い合ってアイサツしている最中に、仲間のニンジャCに頭上から岩を落とさせて攻撃した。
→ NG (アイサツ最中の攻撃であるため)
その3
ニンジャAはアイサツをせずにニンジャBに襲いかかり、首を刎ねた。
→ OK (アイサツ体勢に入っていないBに攻撃をしても特に問題ない)
その4
ニンジャAは敵のニンジャBと近接カラテの打ち合いをしていたが、その最中に、ステルス状態の仲間ニンジャCを忍び寄らせて背後から刺した。
→ OK (アイサツ態勢に入っていないBに攻撃をしても特に問題ない)
その5
ニンジャAは敵のニンジャBと近接カラテの打ち合いをしていたが、その最中に、2キロ離れた地点にスタンバイしていたニンジャCにスナイパー・スリケンで狙撃させた。
→ OK (アイサツ態勢に入っていないBに攻撃をしても特に問題ない)
その6
勢力Aのニンジャ15人と勢力Bのニンジャ15人が丘で睨み合い、戦闘を開始した。どちらもリーダー以外は名乗らなかった。
→ OK (多人数戦闘の時は代表者のアイサツのみでもよい。ただし、わざわざ相手が全員名乗りを上げてきた場合は、された側もなるべく応えるべきである)
その7
アイサツしたニンジャAに対し、ニンジャBは名乗らず、腕組みして見守った。ニンジャAがアイサツを終えるのを待ってから、ニンジャBはニンジャAに襲いかかった。
→ NG (相手がアイサツして来たら返さねばならない)
その8
アイサツしたニンジャAがオジギしている間に、ニンジャBは踵を返して逃走した。
→ NG (かなり卑劣な行動とされ、評判が相当落ちます)
その9
変身能力を持つニンジャが変身行動を開始したとき、変身中に攻撃を仕掛けた。
→ グレーゾーン (基本的にはつつしむべきだが、ケースバイケースとなる)
その10
ニンジャAとニンジャBは遭遇後すぐに殴り合いを始め、そのままアイサツを行わず、激しいカラテ応酬の末に、ニンジャAがニンジャBを倒した。
→ 非推奨 (機会をとらえて、できるだけアイサツしましょう)
かなりクリアになりましたね!
アイサツを制し、イクサを制する
礼儀作法を素早く実践する者が、チンタラしている者の上を行きます。
一般的に、敵対するニンジャ同士が向かい合った時、まず名乗りをあげてアイサツした側が有利なポジションを取れるとされています。先にアイサツした側は相手がアイサツを返している間の時間を使って精神テンションを万全な状態に整え、カラテの構えを取り、必殺の打撃に向けてコンセントレーションを行う事ができます。
一方、機先を制された側にもチャンスはあります。アイサツ終了のタイミングをある程度コントロールする事ができるからです。オジギ終了と同時にスリケンを投げるなどの行動が取れるわけです。ニンジャスレイヤーはアイサツが後出しとなった時も慌てず、このアイサツの間(ま)のコントロールによって、状況をイーブンかそれ以上に持っていく事を心がけているといえます。
どちらの場合も、とにかく奥ゆかしく礼儀作法に通じている者ほど極限の状況下でスムーズに動く事が可能であるという点は間違いありません。
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さあ、ニンジャスレイヤーを通じて貴方はアイサツの重要性を身につけました。
これで新生活も安心です! 社会を潤滑し、モノにしましょう!
(Tantou)