編集委員・塩倉裕 磯村健太郎
2016年3月10日16時54分
死刑制度は国民世論の8割に支持されている――。日本社会に広がるそんな認識について、それは「神話」だと指摘する論考が発表された。実証的な調査によって「8割」の内実に光を当てている。
死刑に関する日本の世論について調べたのは、英国在住で英レディング大学講師(犯罪学)の佐藤舞さん。論考「世論という神話」を、雑誌「世界」3月号に寄せた。
政府が死刑継続の主な理由としてきたのが世論だ。内閣府による昨年1月発表の世論調査では、「死刑は廃止すべきである」「死刑もやむを得ない」の2択で、前者が9・7%、後者が80・3%。当時の上川陽子法相は「(死刑制度に)肯定的な結果が示された」と会見で語った。
佐藤さんは昨年2~3月、ミラー調査と呼ばれる手法で世論の内実に迫った。政府調査と似た条件で調査を行い、そこに独自の質問も盛り込むことで、より深く国民意識に迫る試みだ。対象人数は内閣府と同数の3千人で、1551人(52%)から回答を得た。
死刑の存廃については、2択ではなく5段階で尋ねた。結果は「絶対にあった方が良い」が27%、「どちらかといえばあった方が良い」46%、「どちらともいえない」20%、「どちらかといえば廃止すべきだ」6%、「絶対に廃止すべきだ」が2%だった。
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