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目撃せよ!いま起こっている義務教育改革 > 目撃せよ!いま起こっている義務教育改革 06

大阪府の教育改革 民間人校長
ゲスト:鈴木貴雄氏(大阪府豊中市立寺内小学校 校長)
     山下善久氏(大阪府大阪狭山市立南第二小学校 校長)
     尾塚理恵子氏(大阪府守口市立橋波小学校 校長)


概要:
大阪府の教育改革の目玉の一つが、民間人校長の採用である。大阪府では、3年前から採用が始まり、2011年は8人、2012年は7人の採用が決まっている。単一性が強い教育現場に、民間人校長が入ることで生まれるメリットは数多い。
今回は、大阪府の現役民間人校長3名をゲストに招き、これまでの経歴、どのような思いで校長になったのか、それぞれの活動内容、ポリシー、実際の学校現場における既存教員との軋轢やPTAとの交流などについて聞く。
鈴木貴雄校長は、株式会社リクルートで経営企画や人事を経て、大阪府の公募に申し込んで2012年4月校長に就任した。民間企業経験のある鈴木校長にとって驚きだったのが、新しいことをしようとするときに、組織を動かす仕組みが全くないことであった。5月の金環日食を学校で観測するイベントを開催した際も、手続きや安全の観点から異論が噴出したが、結果的に400人規模の生徒が学校で観測できる機会を作れたことが鈴木校長の自信となった。毎朝の校門での挨拶や校長室の開放など、子供たちとのコミュニケーションに努める鈴木校長は、今後、教員や地域の方々と協力し、寺内小学校らしい特色づくりをしていきたいと抱負を語る。
山下善久校長は、吉本興業株式会社で芸人のマネージャーなども務めた異色の経歴を持ち、2012年4月に校長に就任した。教員との関係はうまくいっているというが、問題や課題の積み残しが多いと感じるので、企業で行うような問題解決管理の手法を取り入れて、取り組みたいと考えている。企業のように人事権も予算権もない中で、学校運営していくためには、自ら範を示して動かなければならない。その意味では、5月の金環日食の際、自ら応募で当たった100個の日食メガネを寄贈して300人規模の観測を行ったことは信頼関係を作るきっかけとなった。山下校長は、子供たちに、学校生活は楽しかったと思ってもらえるような学校づくりをしていきたいと考えている。
尾塚理恵子校長は、イベント企画会社や子供の施設運営などを手掛けた後、2010年4月日本初の民間女性校長に就任した。最初の教員たちの反発や身構えは強かったが、幾度かの大波を経験しながら学校運営に取り組んできた。例えば教員の服装が気になった時も、頭から規制するのではなく、理由を説明して納得してもらうようにしている。世にいうモンスターペアレンツも、何か言いたいことがあるのだと受け止めて、モンスターだとは思わないようにしている。尾塚校長は、子供たちには、おもてなしの心を持った、気遣い、心遣いのできる人間になってほしいと考えている。
隠ぺい体質につながる教育の単一(同質)性を改革するためには、もっと民間人校長の存在が必要である。10年で3000人の民間人校長を採用すれば日本の教育現場は変わるので、大阪の取り組みを全国に広げるべきである。
講師紹介: 藤原 和博(ふじはら かずひろ)


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  アシスタント:結城 未来

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