“セレブ女医”ノーメイクで逮捕 「交際600人」「ホストクラブ豪遊」も診療報酬詐欺

2016年3月10日6時0分  スポーツ報知
  • 警視庁麻布署を出る脇坂英理子容疑者

 暴力団組長らによる診療報酬不正受給事件で、美容クリニックでも診療報酬をだまし取ったとして、警視庁組織犯罪対策4課は9日、詐欺の疑いで医師・脇坂英理子容疑者(37)=東京都世田谷区=ら2人を逮捕した。脇坂容疑者はタレントとしてテレビのバラエティー番組に出演。「600人と交際した」「ホストクラブで一晩に900万円使った」など派手な私生活を売りに、“セレブ女医”として活動していた。

 9日午前、警視庁の捜査員から任意同行を求められた脇坂容疑者は捜査員を見渡すと、何かをつぶやき、警察車両に乗り込んだ。髪は金色だが、ボサボサで、ノーメイク状態。麻布署を出る際は笑顔も浮かべていた。今年に入ると、不穏な空気を察知したのか、玄関の外で喫煙するだけの生活を繰り返し、自宅から出ることはほとんどなくなった。

 「私みたいに30代後半になると、美味なものを少しずついただく。4ケタはいっていないけど…」―。テレビの深夜番組で交際男性の人数について、赤裸々に語っていた脇坂容疑者は、ピンク色の白衣を身にまとい診察したこともある。テレビのインタビューではサングラスに胸元の開いた私服を身にまとい、金髪にど派手なネイルをして、年収5000万円を自称。ホストクラブ通いで一晩に900万円使ったなどと豪語していた。

 千葉県船橋市内のビルに美容クリニック「Ricoクリニック」を開いたのは、2012年6月。だがその裏で、実際の懐事情は苦しかったとみられる。関係者によると、医療機器のリース代も払えないほど困窮。脇坂容疑者をマネジメントしていた関係者も手を引いた。同じビルで歯科医院を経営し、ともに逮捕された歯科医師・重松武容疑者(58)=詐欺罪で起訴=の紹介で不正を始めたとみられる。

 14年に入ると休業状態になり、昨年5月、ホームページで「諸般の事情」による閉院を表明。一方で周囲に「病院再開のため、5000~6000万円を貸してほしい」と無心していた。知人男性によると、脇坂容疑者は不正受給を明かし「8000万円を得て、半分を仲介人に渡した」と話し、男性が非難すると、強い調子で反論したという。男性は「あまりにも無知。世間を知らないお嬢さまだった」と振り返った。

 Ricoクリニックのホームページなどによると、東京都出身で東洋英和女学院高から東京女子医科大医学部を卒業し、麻酔科として勤務。自身を「リコにゃん」と呼んでいた。

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