2016年3月10日

免許返納、バス利用促進 鳥取市が割引定期券支援

 鳥取市は、運転免許証を自主返納した70歳以上の高齢者を対象に、割引販売される路線バス定期券の購入を支援する制度を4月から始める。免許返納を促すことで高齢ドライバーによる交通事故防止を図り、赤字が続く路線バスの利用者増加にもつなげ“一石二鳥”を狙う。

 バス会社が割引販売するのは、70歳以上限定の路線バス定期券「グランド70」。購入から6カ月間有効で、一部の公営コミュニティーバスなどを除き、県内ほぼ全域で区間を限定することなく路線バスの乗降ができる。

 支援制度の導入で、鳥取市内の免許返納者は、同定期券を通常価格2万5700円から90%以上割り引いた2千円で購入できる。返納日から1年間は最大2回まで購入可能。返納時に受け取ることができる運転経歴証明書や顔写真を持参すれば、鳥取駅前バスターミナルで申請できる。

 2年目からは同定期券が3割引き(1万7990円)となる別の制度を利用できる。

 市は新年度一般会計当初予算案に事業費250万円を計上。市交通政策課は「代替交通を利用しやすい仕組みがあれば、免許返納を迷っていても決断しやすく、心配する家族が高齢の免許保有者を説得する際の材料にもなる」としている。

 鳥取県警によると、鳥取市内で70歳以上の運転免許証保有者は2月末現在で1万4080人。