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陳情第22号

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サッカースタジアム検討協議会の再設置及び再検討を求めることについて

 

 

去る7月22日、広島県知事・広島市長・広島商工会議所会頭の広島トップ3者が「複合型サッカースタジアム」建設地について協議を行った。報道によると、整備費の安さ及び敷地面積の広さなどの点で、旧広島市民球場跡地より広島みなと公園が優位という方向性を明らかにしたが、宇品・出島地区の交通問題等を理由に候補地決定は見送った、とのことである。

しかしながら報道を見聞きする限り、非常に不可解な点が多い。例えばスタジアム規模を3万人とした場合、周辺の高さ制限のため地面の掘り下げが必要なことから旧広島市民球場跡地へのスタジアム整備費を194億円としている。

だが市民有志がサッカースタジアム検討協議会を傍聴した限りでは、3万人という数字はあくまで協議会の一部委員が主張したにすぎず、協議会として「広島には3万人規模のスタジアムがふさわしい」という結論を出した事実はない。それどころか一部委員からは2万7,000人規模で地面掘り下げを必要としないスタジアムを想定した建設図面まで提出されている。にもかかわらず、いつの間にか3万人規模という数字が独り歩きしている。

また3者会談では旧広島市民球場跡地は敷地が狭く複合開発が困難とする一方、広島みなと公園は敷地が広く開発可能としている。しかし協議会において両候補地ともスタジアム複合施設の具体的中身や規模、何より建設費及び維持管理費について検討した事実は全くない。にもかかわらず3者会談では綿密な検討もしないまま強引に「広島みなと公園が有利」との結論を出している。

あるいは「広島みなと公園であれば展示場や会議施設を併設できる」としているが、広島市内にある類似施設とどのように共存していくかについては全く検討されていない。

そして旧広島市民球場跡地はかつて3万人収容の野球場であり、年間60試合のプロ野球興行も開かれていたにもかかわらず、一部委員は「旧広島市民球場跡地では混乱が起きる」と根拠も示さずに主張した。

また各候補地でのスタジアムの建設可能規模について、当初の資料では旧広島市民球場跡地では敷地が狭く2万人程度が限度としながら、その後は3万人以上も可能と変更するなど調査不足と一貫性の無さが目立った。

そして協議会会長は「候補地について市民アンケートをすべきだ」との委員からの提案に対して「スタジアムの具体的内容が決まっていない」ことを理由に拒否したが、具体的内容について議論することはついに一度もなかった。

広島の報道各社あるいは市民アンケートを見る限り、サッカースタジアム建設地は旧広島市民球場跡地が、旧広島市民球場跡地の活用方法については常に複合スタジアム案が最大数を占めている。

会長以下協議会一部委員の議論は市民意見を完全に無視したものであり、ただ単に旧広島市民球場跡地に複合スタジアムを建設させないことを意図したもの、と断定せざるを得ない。きちんとした調査資料に基づく公正公平な議論がされたとは言い難く、人選にも偏りがあった、と言わざるを得ない。

また会議資料や議事録は依然として一般に公表されてないなど情報公開や手続の透明性という点で大いに問題がある。

我々市民有志は、スタジアム建設問題について公正公平な議論が行われるよう、過去のサッカースタジアム検討協議会報告書は白紙撤回し、広島市が主体となって再度、人選等に偏りがなく、情報公開が保障されたスタジアム協議会を再度設置し、広島市中心部へのスタジアム建設を前提とした再検討をするよう陳情する。