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高浜原発3号機 停止作業へ 仮処分の決定受け3月10日 5時01分
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福井県にある高浜原子力発電所3号機と4号機について、大津地方裁判所は9日、稼働中の原発に対して初めて運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。仮処分の効力が生じているため、関西電力は10日午前10時ごろから運転中の3号機の原子炉を止める作業を開始し、予定どおりに進めば10日夜には原子炉が停止する見込みです。
関西電力・高浜原発3号機と4号機について、大津地方裁判所は9日、「福島の原発事故を踏まえた事故対策や緊急時の対応方法などに危惧すべき点があるのに、関西電力は十分に説明していない」などと指摘し、滋賀県内の住民の申し立てを認めて運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。稼働している原発の運転の停止を命じる仮処分の決定は初めてです。
仮処分の効力がすでに生じているため、関西電力は10日午前10時ごろから、稼働中の3号機の原子炉を止める作業を開始することにしています。原子炉内の核分裂反応を抑える32本の制御棒を順次入れ、作業が予定どおりに進めば午後8時ごろには原子炉が停止する見込みです。3号機はことし1月に再稼働してから10日までの42日間稼働しましたが、再び運転が止まることになります。
関西電力は、仮処分の決定の取り消しを求めて近く、大津地裁に異議を申し立てることにしています。裁判所の今後の審理で決定が覆らなければ、3号機では原子炉が停止した状態が続くことになります。
一方、4号機では、先月に再稼働したあと原子炉が自動停止するトラブルが起き、関西電力が早期の運転再開を目指していましたが、再開の時期は見通せなくなっています。
仮処分の効力がすでに生じているため、関西電力は10日午前10時ごろから、稼働中の3号機の原子炉を止める作業を開始することにしています。原子炉内の核分裂反応を抑える32本の制御棒を順次入れ、作業が予定どおりに進めば午後8時ごろには原子炉が停止する見込みです。3号機はことし1月に再稼働してから10日までの42日間稼働しましたが、再び運転が止まることになります。
関西電力は、仮処分の決定の取り消しを求めて近く、大津地裁に異議を申し立てることにしています。裁判所の今後の審理で決定が覆らなければ、3号機では原子炉が停止した状態が続くことになります。
一方、4号機では、先月に再稼働したあと原子炉が自動停止するトラブルが起き、関西電力が早期の運転再開を目指していましたが、再開の時期は見通せなくなっています。
元裁判官・升田教授「影響は小さい」
元裁判官で中央大学法科大学院の升田純教授は、「これまでの裁判所の判断と異なり、『電力会社が出した証拠が足りない』という理由で差し止めを認めている。電力会社にとっては厳しい決定だが、全体として抽象的な印象を受けた」と話しています。そのうえで、ほかの原発を巡る仮処分や裁判への影響については、「これまでの仮処分や裁判で判断が分かれていることから見ても、裁判官はそれぞれの考えで判断している。今回の決定が与える影響は小さいだろう」と述べています。
寿楽助教「原因究明 継続していない」
高浜原発3号機と4号機の運転の停止を命じた仮処分の決定のなかで、裁判所は「原発事故の原因究明が道半ばだ」と指摘しました。これについて原発と社会の問題に詳しい東京電機大学の寿楽浩太助教は、「国などによる事故の原因究明が継続しているとは思えない」としたうえで、「事故の調査を続け、得られた教訓を安全対策に反映していることを具体的に示すなど、原発に対する社会全体の懸念を払拭(ふっしょく)する努力を続けていかなければ、今後も裁判所の決定による原発の運転停止が繰り返される可能性がある」と指摘しました。