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【出直し市長選】法定協メンバー入れ替え狙い、維新が「造反組」府議に秋波…多数派形成の“皮算用”に「除名したくせに」と憤慨も

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【出直し市長選】
法定協メンバー入れ替え狙い、維新が「造反組」府議に秋波…多数派形成の“皮算用”に「除名したくせに」と憤慨も

 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の出直し市長選(3月9日告示、23日投開票)をめぐり、維新が2カ月前に除名した大阪府議4人の「造反組」に秋波を送り始めている。選挙後に大阪都構想の制度設計を行う特別区設置協議会(法定協)から反都構想のメンバーを排除するには、府議会での多数派形成が不可欠とみているためだ。維新幹事長の松井一郎知事は「4人は都構想には賛成だ」と取り込みに自信をのぞかせるが、造反組の一部は「除名されたのになぜ協力しないといけないのか」と反発しており、“皮算用”に終わる可能性もある。

 「法定協のメンバーを代えるために府議会の中で維新の会で働きかけ、多数を形成していく」。10日、松井氏は記者団の取材に毅然(きぜん)とした口調で答えた。

 法定協メンバー20人のうち、橋下氏と松井氏、法定協会長(維新府議)を含め維新側は10人。会長は可否同数とならなければ採決に加われないため、維新側は多数決で劣勢となる。そこで橋下氏や松井氏は法定協のメンバー交代の是非を出直し選の争点として掲げ、府議会枠に着目した。

 法定協の規約はメンバー選出について「議会が推薦」と規定。このため、松井氏らは府議会で過半数の同意さえ得られれば、反都構想の自民、民主系府議のメンバーを排除することが可能だと主張している。現状では維新は府議会の過半数まで2人足りないが、松井氏は事態の打開に、決別したかつての仲間を念頭に置いている。

 昨年12月16日、泉北高速鉄道を運営する府の第三セクター「大阪府都市開発(OTK)」の株式売却議案が、維新府議4人の造反で否決され、鉄の結束を誇ってきた維新の根底が揺らいだ。松井氏は「4人はただのだだっ子。ルールを守れない人とは一緒にやれない」と激怒し、翌日、除名処分を下した。

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