参院議事録の削除難航
自民党の丸山和也参院議員が先月の参院憲法審査会でオバマ米大統領を念頭に「黒人の血を引く。奴隷ですよ」などと述べた発言を議事録から削除する手続きが難航している。丸山氏は発言を撤回し、議事録からの削除を申請したが、参院の規則が発言趣旨を変えるほどの削除を認めていないからだ。
参院規則は議事録の削除・修正について「字句に限るものとし、発言の趣旨を変更することができない」と定めている。
今回の場合、唯一の方法は柳本卓治審査会長が職権で削除を決める場合だが、通常は与野党の代表者が合意して削除するため、職権による削除に野党が反発するのは確実だ。自民党議員からは「参院選前に憲法審査会で事を荒立ててほしくない」と懸念の声が漏れている。【田中裕之】