最終戦を白星で飾り笑顔の宮間(中央)らなでしこ戦士たち。この経験を次世代に伝える(撮影・村本聡)【拡大】
雨の大阪で、最後の指揮を執った。佐々木監督は、なでしこ通算80勝目を挙げ、サポーターに別れを告げた。2008年の就任初戦の相手、北朝鮮から白星。目を真っ赤にした指揮官は、場内を一周し手を振り続けた。
「責任を取らなきゃいけない思いはある。これまで彼女たちとサッカーをやってきて本当に楽しかったし、本当に宝物をいただいた」
リオ五輪の出場権は逃したが、なでしこを世界一に導いた功績は記録にも記憶にも残る。11年ドイツW杯を制し、東日本大震災直後の日本に勇気と希望を与えた。国民栄誉賞を受賞。12年ロンドン五輪、15年女子W杯では準優勝した。
「今後の就職? 何いってるんだよ。募集中だよ!!」
最後までジョークを交える人柄はそのまま。だが、会見途中に語気を強め「僕の批判記事は構わない。でも、選手のゴシップみたいな記事はやめてほしい」と報道陣に強くリクエストした。