試合終了後の記者会見で笑顔を見せる日本女子代表・佐々木監督=金鳥スタ(撮影・甘利慈)【拡大】
大けがをした選手にはクマの縫いぐるみを手にしてお見舞いへ向かう。選手のミスで負けても「自分の責任」とかばった。日本開催の重圧があった今回は「厳しい精神状態を楽しさに変えることが重要」との思いから、努めて明るく振る舞っていた。座右の銘は「歩歩是道場(ほほこれどうじょう)」。柔道家だった父から送られた禅の言葉で、心掛け次第ではどんなところでも自分を高められる、との意味だ。次の舞台でも活躍が期待される名将は「この経験を宝物にして自分のサッカー人生に生かしていければ」と話した。
今後はロンドン五輪後にアドバイザー就任の要請を受けた古巣大宮への復帰や、日本協会が女子代表のシニアアドバイザー的なポストを準備する可能性もある。かつて中国がその手腕に興味を示すなど、アジア諸国からのオファーもありうる。
ノリさん流を貫き通した8年間。指揮官は去っても、女子サッカー界にもたらした貴重な財産は残り続ける。 (清水公和)