消費財財閥から、重工業、機械、建設財閥への衣替えだった。この大変身劇は一時はうまくいったかに見えたが、これが今の大苦境の原因となっている。
原油価格の低迷や中国経済の減速、韓国内の不動産市場の停滞などで、建設機械、重機械、建設事業といった主力事業が一気に不振に陥ってしまったのだ。
斗山グループの2015年の売上高は、18兆9600億ウォンで前年比6%減。営業利益は同73%減の2646億ウォンだった。それだけではない。リストラ費用などがかさみ、1兆7000億ウォンもの最終損失となったのだ。
グループ全体の借入金も14兆ウォンを超えてしまったのだ。
斗山グループは2015年に、世論の厳しい批判を浴びたことがある。建設機械が主力の斗山インフラコアが経営不振から希望退職を募ったが、採用したばかりの新入社員や2年生も対象者にしてしまったのだ。
企業の社会的責任を強調してきたグループ、それも大韓商工会議所会長という財界トップを務めるグループのなりふりかまわぬリストラがメディアで連日大きく報じられた(その後、新入社員などは対象からはずした)。
韓国紙デスクが言う。
「業績不振、斗山インフラコアでのリストラに加え、オーナー一族の経営者の中で個人的なスキャンダルもあった。朴容晩会長が就任から4年で退任することには、こうしたことを踏まえた刷新人事という意味もある」
それにしても、こういう世襲人事がいつまで続くのか。韓国のメディアも、今回の人事に対しては冷静に報じている。