03月09日 15時40分
福井県にある高浜原子力発電所3号機と4号機について、大津地方裁判所は「福島第一原発事故を踏まえた事故対策や緊急時の対応方法に危惧すべき点があるのに、関西電力は十分に説明していない」として、運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。
稼働中の原発の運転の停止を命じる仮処分の決定は初めてで、関西電力は、速やかに原子炉を止めなければならなくなりました。
福井県にある関西電力・高浜原発3号機と4号機について、滋賀県内の住民29人は「安全性が確保されておらず、重大な事故が起きる危険がある」として、再稼働前の去年1月、運転の停止を求める仮処分を申し立てていました。
これについて、大津地方裁判所は、先ほど「福島第一原発事故を踏まえた事故対策や緊急時の対応方法について危惧すべき点があり、津波対策や避難計画にも疑問が残るのに関西電力は十分に説明していない」として、3号機と4号機の運転の停止を命じる決定を出しました。
高浜原発は、ことし1月に3号機が、2月に4号機が、新しい規制基準のもとで再稼働しましたが、4号機では、再稼働の3日後の先月29日に原子炉が自動停止するトラブルが起き、関西電力は、早期の運転の再開を目指しています。
関西電力は、9日の決定の取り消しを求めて異議を申し立てる方針ですが、仮処分は直ちに効力が生じるため、稼働中の3号機の原子炉を速やかに止めなければならなくなりました。
稼働中の原発の運転の停止を命じる仮処分の決定は初めてです。
大津地方裁判所が高浜原発3号機と4号機の運転の停止を命じる仮処分の決定を出したことについて、新しい規制基準に基づく審査を行ってきた原子力規制委員会は「コメントする立場にない」としています。
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