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 国連女子差別撤廃委員会が7日発表した日本に対する最終見解の案に、皇位を継げるのは男系男子のみとして女性天皇を認めない皇室典範を問題視し、見直しを求める内容の記述があったことが、外務省関係者への取材で分かった。日本政府が抗議し、実際の最終見解では該当部分は削除された。

 見解案は先週末、委員会が日本政府に提示した。2月に行われた日本に対する審査会合では、皇室典範が議題にならなかったことから、日本政府はジュネーブ代表部を通じて「審査で議論されていない内容を最終見解に盛り込むのは、手続き上問題がある」などと抗議。委員会は最終的に皇室典範に関する記述の削除に応じたという。

 菅義偉官房長官は9日の記者会見で「我が国の皇室制度も歴史や伝統が背景にあり、国民の支持を得て今日に至っている。皇位継承のあり方は女子に対する差別を目的としておらず、委員会側が皇室典範について取り上げることは全く適当ではない」と語った。