あらすじ
すみれ(桐谷美玲)は、真白(町田啓太)の飼っている犬が出産したことを知り、
喜んで彼の家に遊びに行く。
いつもは蔵に入らないという犬なのだが、
なぜかその場所で子犬と一緒にいた。
すみれは思わず、「無事に生まれてきて良かった」と言うのだが、
その瞬間、蔵の奥にあった屏風から謎の女が現れる。
すみれが発した言葉は、
化け猫の黎(及川光博)に言われて探していたキーワードだったのだ。
女は真白を不思議な術で眠らせ、
すみれに「黎のもとに連れて行け」と要求した。
帰宅すると、黎は女のことを、
「私の婚約者の雪白(小西真奈美)だ」と説明する。
すみれは雪白に食事を振舞ったり、半天を着せたりしたので、
雪白は「人間なのに気が利く」と大喜びする。
だが、黎がすみれのことを優先するので、
怒って何処かに出かけてしまった。
そんななか。
すみれは真白から、一泊二日のスノボデートに誘われる。
夜になると、65歳の澄(松坂慶子)に戻ってしまうので、
どうしたらいいものかと悩むが、黎の後押しで出かけることになった。
二人はそこで、楽しいひとときを過ごすが、
たまたま落ちていたスキー手袋を拾ったことで、
すみれは妙な男に一目ぼれされてしまう。
真白とナイトスキーを楽しもうと約束するものの、
ちょっとした手違いから離れ離れになった。
その隙を狙うかのように、先刻の妙な男が近づき、
「彼氏なら先に滑りたいから上に行った」と言われ、
人を疑うことをしないすみれは、あっさりとついて行く。
だが、そこは上級者コースで、すみれには滑ることができなかった。
妙な男は「オレが教えてやるよ」と言うが、
すみれは「真白を探す」と言って立ち去ろうとする。
すると、妙な男は豹変して、
「彼氏が上にいるというのは嘘で、
あんたがタイプだから声をかけた」と本性を現す。
すみれはきっぱりと妙な男を拒絶するが、
もとの場所に帰る道がわからなくなってしまい、
迷っているうちに谷底に落ちてしまう。
しかも、間の悪いことに65歳の姿に戻ってしまった。
その頃、真白はすみれがいないことに気づき、
スキー場のスタッフにレスキューを呼ぶよう頼んでいた。
だが突然、彼の身に思いもよらぬ事態が起こる-。
感想
黎【偶然ではなく、運命ではないでしょうか】
澄【運命?】
黎【私もその運命に従っているだけです。
ですから、いましばらく、貴女のそばにいさせていただきます。
貴女の幸せを見届けるまで・・・】
まさか、こんな切ない話になるとは思わなかったですね。
雪白が出てきて、黎の封印が完全に解けたかと思いきや、
キーワードを予想外の形で言わせたため、
澄が完全に若返ることはできませんでした。
もしかしたら、真白くんの病気も、
そのことに関係しているのかも知れません。
でも、余命わずかとは驚きました。
気になるのは、黎の台詞と行動ですね。
「いましばらくそばにいる」というのは、
いずれは何処かに行くということでしょうし、
遭難したすみれをいち早く助けたのは彼でした。
猫好きの筆者としては、主に懸命に尽くす姿に泣けてくるのですが、
彼は雪白が指摘するように、すみれが好きなのではないでしょうか。
黎【あなたを信用していないので】
真白【えっ?】
黎【あの人はご存知の通りの人です。
あの人を守り、裏切らず、この先ずっと愛し続けてほしい。
それがあなたにはできますか?】
真白【・・・】
黎【いま答えを出せなくても・・・
ですが、あの人を支えるということは、そういうことなのだとご理解ください】
真白【ずっと一緒にいたいです。
俺、ずっと愛するとか、そういうのまだちゃんと判っていないかも知れないけど、
すみれさんのこと、本当に大事に思ってますから】
幸せというのは、人それぞれによって感じ方も形も違うので、
これという正解はないのですが、
私はいつか、天野住職(小日向文世)が言ってたことが気になります。
【澄さん、貴女は森羅万象の理から外れている】
スミカスミレは、タイムスリップするSFではなく、恋愛ファンタジーなんですが、
時空を飛び越えて何かをした場合、不自然な歪みが発生することがあります。
本来は65歳の澄が、20歳のすみれになったということが、
まさにそういうことなんですよね。
変則的なタイムスリップといってもいいでしょう。
「JIN-仁-完結編」でも、主人公が江戸に来たことによる歪みを修正するかのように、
彼の行った出来事は書き換えられ、人々の記憶からも消えてしまいます。
残酷なことではありますが、それが「森羅万象の理」なんですよ。
綾瀬はるかさん演じる橘咲は、
南方医師が好きであったからこそ、現代に戻ってほしいと願いました。
幸せとは、自分を偽ることなく、
いるべき場所で、この瞬間を生き生きと過ごすことだと思います。
それが本当の青春じゃないでしょうか。
黎【すみれ様は、雪白とここにいてください】
すみれ【会ってくるって、何のために?】
黎【心配いりません。あなたが幸せになるためには、
真白様の存在が、必要不可欠なのでしょう?】
すみれ【黎さん・・・】
黎【大丈夫。彼は助かります】
すみれ【・・・】
黎【雪白、すみれ様を頼む】
雪白【ちょっと・・・あんた、まさか真白に自分の生気を渡すつもりか?
すみれのこと、若返らせたみたいに。もう半分、すみれに渡してしもうたのに、
そんなんしたら・・・あんたが!】
黎【私は、すみれ様を幸せにするためにいる!】
すみれ【駄目です!】
黎【・・・】
すみれ【知らなかった・・・私を若返らせるために、あなたの命を・・・
そんなこと聞いて、黎さんがいなくなって、
私が、幸せになれるわけないじゃないですか!】
黎【真白様を救う手立ては他にないのです!】
すみれ【あります・・・私の中に】
黎【すみれ様、それは・・・】
すみれ【真白くんが言ってくれたんです。
私が困っている時や、危ない時は、いつでも助けてくれるって・・・
私も同じです。だから、できますよね?
黎さんが、私に分け与えてくれた生気を、真白くんに移すことを】
雪白【できるで。ただ、そんなんしたら、あんたは・・・】
黎【完全に戻ってしまうんですよ。元の65歳に】
愛する人を助けるために、65歳に戻ることを選んだすみれですが、
真実を知った彼はどう思うでしょうか。
原作とは違う展開になるらしいので、
次回も楽しみに視聴したいと思います。