マレーシア マハティール元首相が首相の退陣求める

3月4日 23時18分

マレーシアでは、ナジブ首相が政治資金を不正に受け取っていたという疑惑が取りざたされているのに対し、根強い人気を誇るマハティール元首相がほかの議員とともに首相の退陣を求める宣言を発表し、政権の打倒に向けた動きを活発化させています。

マレーシアでは、ナジブ首相が３年前に行われた総選挙の直前に日本円でおよそ８００億円の資金を不正に受け取っていた疑惑が持ち上がり、政府はことし１月、調査の結果として、サウジアラビアの王族から寄付されたもので、汚職にはあたらないと発表しました。
しかし、これに納得しない国民も多く、１３年前に退任したマハティール元首相が４日、記者会見を行い、「ナジブ首相はこの国を傷つけている。彼が首相を続けることによってダメージはより深刻なものとなる」と述べました。
そして、首相の退陣を求める「国民宣言」を発表し、これに賛同する与野党の議員など５８人とともに署名しました。２２年間、首相を務めたマハティール元首相は、今も根強い人気があり、これまでに最大与党からの離党を表明して、野党勢力とも協力して首相の退陣を求める動きを活発化させています。
ただ、元首相と行動をともにする与党議員は今のところ限られていて、ナジブ首相に対してどれだけ強い圧力となるかは不透明です。