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危険86カ所公表せず 新潟県、加茂市反発受け

 新潟県加茂市で土砂災害の恐れがある箇所が86カ所あると県の調査で判明したのに、県が1年以上にわたって公表していないことが8日、分かった。土砂災害防止法は危険箇所を速やかに公表するよう都道府県に義務付けている。市が調査結果に反発していることを非公表の理由としているが、住民の安全を確保するために必要な「土砂災害警戒区域」の指定ができない状況になっている。

     県は2014年10月までに、市内86カ所で同法に基づく基礎調査を実施。国の基準に基づき、いずれも土石流や地滑りなどの恐れがあると判断し、市に通知した。これに対し、小池清彦市長は「土砂災害が起こりそうにない箇所も含まれている。そのまま公表すれば地価が暴落する」などと反発した。

     公表に市町村の同意は必要ない。だが、県砂防課は「調査結果は避難体制の確立やハザードマップの作成など市の作業全体に関わってくる。信頼関係が重要」とし、今後も市の同意なしには公表しない方針だ。

     同法は14年8月に広島市で起きた土砂災害を踏まえて昨年1月に改正され、基礎調査結果の公表が都道府県に義務付けられた。結果に基づいて「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」の指定を促すためだ。

     小池市長は毎日新聞の取材に「これから吟味して、納得できる危険箇所については公表に応じたい」と話した。【米江貴史、真野敏幸】

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