被爆体験者訴訟、長崎県と市控訴

手帳交付命じた地裁判決に不服

2016/3/4 20:28

 国が指定した地域の外で原爆に遭った「被爆体験者」計161人が被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟で、長崎県と長崎市は4日、10人への手帳交付を命じた2月の長崎地裁判決を不服として控訴した。

 長崎市の田上富久市長は記者会見し「被爆者援護法の制度全体に関わるため、上級審の判断を仰ぐべきだとの強い要請が国からあった」と理由を明らかにした。市は昨年、指定地域拡大を国に要望しており、田上市長は「(手帳交付は)法定受託事務で、最終的には国の判断。非常につらい」とも述べた。

 先行する同種訴訟では2012年の長崎地裁判決は原告の請求を退け控訴審判決が28日に予定されている。