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本について、印税について、
よく聞かれることや誤解されていることを
箇条書きにしてみました。

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1:印税規定は各社ばらばら

実売部数に対して支払うところ、刷り部数に対して支払うところ、
キンドルと紙の印税率が同じところと違うところ、

(そもそも電子版は基本やらないという方針の出版社も。
最近は変わってきているかもしれませんが)

著者に支払うパーセンテージなど、各社で条件が違います。
なので、どこの出版社から出すかによって
同じ部数でも印税が変わってきます。

ちなみに、表記ルールも各社ばらばらで、
例えば、この漢字は開く(あえて平仮名で書く)、
2つ表記のある漢字はこちらに合わせる、など表記のルールも
出版社ごとに違います。

2:献本は著者の自腹

これ、意外と知らない人多いんですが、
著者がもらえる見本数は限られているので、
(このもらえる見本数も出版社によって違う)

友人への献本は著者割引を使って自腹で購入しています。

だから私は「半径5メートルの野望」の部数に一番貢献している
(日本一買ってる)んですよね、たぶん…。



タダでいくらでももらえると思ってる人が多いんですけど、違います!
自分で買って渡してるんですー!!
だからもらったら読んで…(´;ω;`)タダじゃないの…

3:契約書は後から

契約書は出版後に届きます。
(出版前に来たのはこれまでに1回だけ)

4:タイトルは自分では決められない

著者の意向は、尊重はされるけれど、決定までは出来ません。
(ただし、売れてる作家さんは自分で決められます。
著者のパワーが強いか、出版社のパワーが強いかですね…)

タイトル一つで売れゆきが変わるので、
編集者さんと宣伝部が一緒になって「タイトル会議」をしてくれて
そこで決まるという感じ。

私は昔、編集者さんのタイトル案に抗議したら
「そういうことは売れてる作家になったら言ってください」
と言われました。

5:宣伝費は基本無い

すでに実績のある著者なら別ですが
限られた出版社の宣伝費は売れる作家さんへ。
新人が大きく宣伝費を割いてもらえることは稀。

新聞広告や電車内吊り広告は「売れている本をもっと売るため」のものなので、
出版社に予算があり、かつ他の本と比べて「売れそう」と思われたら出してもらえるかも…?

与沢翼さんは自腹で吊り広告を出していたとか。

与沢翼氏の総額3800万円かけた『JR広告ジャック』が話題に | 与沢翼まとめ (YOZAWA TSUBASA)

知り合いのラノベ作家さんも、印税を全て広告費に回してました。

6:テレビと雑誌は特集されない限り効かない

出ないより出たほうがそりゃいいのですが
タイトルを紹介するレベルでは書店で全く動きません。

番組で大々的にその本の特集がされて、内容まで解説されないと、
なかなか買ってはもらえないです。

「はあちゅう、金スマか情熱大陸に、ツテない?」
と何度言われたか。

無いわー(;д;)!!
(逆に、上の2つのどっちかで紹介してもらえたら、ものすごく売れるそう)

コメンテーターのプロフィール欄にタイトルが出るレベルでは本は全く売れません。
ネプリーグ(ゴールデン2時間)に出た翌日とかも、本の動きは特になかったので、
本を買う層とテレビを見る層は違うんだなとつくづく思いました。

7:売れない本は一ヶ月で無かったことになる

編集者さんは、一度に複数の本を担当する

売れない本は、数週間で返本される

ので、初速が悪い本はどんどん忘れ去られ、
書店からも無くなっていきます。つらい。

逆にいうと、いつも書店で見かける本なら
それなりの売り上げがある本か、
売れてる作家さんです…!

8:勝手に書店まわりはしちゃダメ

書店さんはめちゃくちゃ忙しいので、
(1日に新刊が平均200冊出るらしいよ)
著者がふらっと遊びに行っても対応が出来ません。

…と教育されたので私は出版社さんを通して、
アポを取っての書店まわりしかしたことはありません。

(でも勝間和代さんとか堀江さんレベルなら
書店の人も嬉しいからいいのかも…!
勝手にやってる著者も結構知ってるので、
飛び込みでやるのとやらないのどっちが正解なんだろう…?いまだに謎)

そして、サインをした本は出版社に返本できないので、
サイン本は嫌がられます。

サイン出来る作家さん=売れてる人です。

9:著者と編集者の人脈命

帯、宣伝、がとれるかどうかは、著者と編集者さんの人脈次第です。

「同期が週刊●●の編集部にいるから書評頼んでみるよ」
とか「前にここの編集部にいたからお願いしてみるね」
って顔が利く編集者さんだととてもラッキー・・・!

帯も「この人を通せば受けてくれる」とかキーマンがいたりする…。

10:自分で本を書いてる人は意外に少ない

「著者」とか「作家」っていう肩書がついていても、
実際の原稿はライターさんが書いて、
後から自分風味をつけたしてる著者は結構多いです。
(奥付に、編集協力、とか構成って書いてあったらライターさんが書いてる)

でもその人のブログ見たら、
一生懸命全部自分で書きました、みたいになってることはよくある…(●´ω`●)

11:本に関する書店トークイベント、サイン会、取材はノーギャラ

ノーギャラで、交通費持ち出しのことが多いです。
取材は、取材協力費をもらえる時もあります。

12:打ち上げで銀座のバーとか行かない

作家さんって銀座のバーに夜な夜な行ってるイメージがあるけれど、
出版社さんもそう簡単にタダで飲み食いはさせてくれない…!
めっちゃ売れてる人だけではないでしょうか。
あと、本が出た後の打ち上げは、やってる人もいれば、やらない人もいます。
これも売れ行きやら、出版社の文化やら、ケースバイケースかと…。

13:本は次から次へと出せない

売れる作家さんは別ですが(この枕詞、全部のケースにいれるべきだった…)
出しすぎると飽きられるのがはやくなり、
一作の部数が減るので、
一作だすと、次の本まで
半年~一年くらいあけてほしい、と言われます。
同じ人の本、そんなに立て続けに買ってもらえないもんね…。

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以上、私の経験に基づいて書いているので
書いているジャンルや
売れ行きや、出版社さんによって違うケースもあると思いますが…!

本を出したい人に言いたいのは

本を出した後に、待っているのは売る努力で、
印税生活までの道のりはかなりハードだってことです(●´ω`●)
がんばろうね…

(出版&書店関係の皆さま、ここ間違ってるよ、ってところがもしあったら
ご指摘くださいませ~)


真夜中にシュークリーム
はあちゅう
毎日新聞出版
2016-02-27


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【お知らせ】

今月から、「はあちゅうの読書めも」という連載が以下にて始まります(∩´∀`)∩
好きな本で電子でも読める本を、簡単にご紹介させて頂くシリーズで、
隔週火曜日更新です本好きの方はよかったら見てみてください。

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分かる範囲でなるべく詳細をご記載くださいませ)