就職失敗、6カ月後に自殺…韓国の「絶望ラジオ」が伝える壮絶な現実

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(更新 2016/3/ 8 16:00)

就職は「超氷河期」。昨年9月に韓国政府と経済界が大邱で開いた就職説明会には、約1万5千人が詰めかけた (c)朝日新聞社

就職は「超氷河期」。昨年9月に韓国政府と経済界が大邱で開いた就職説明会には、約1万5千人が詰めかけた (c)朝日新聞社

<就職に失敗したが、親にはウソをついて仕事に行くふりを続けた。月給分の借金を続け、6カ月後に自殺してしまった>
<配達のアルバイト中に事故に遭いケガをした。しかし会社側は従業員ではなく個人事業主だと主張し、労災負担を拒んだ>

 この番組のDJ、龍慧仁(ヨンヘイン)さん(25)は言う。

「教育費を使って大学教育を受けても、いい職場に入るのは大変。わたしたちの世代は親が金持ちでもない限り、子どもを産んで家族をつくるのは難しいと考えるようになっている」

 昨年から「ヘル(地獄)朝鮮」という若者言葉がはやりだしたのも、偶然ではないだろう。「韓国は古くさくて地獄のような国だ」と冗談半分で自嘲する言い方だ。ツイッターには、「ああヘル朝鮮。名門大学の卒業生でもなかなか就職できないなんて」「クビにならないために上司の犬になる。それがヘル朝鮮」などの声が飛び交う。

 非正規職の若者を支援するアルバイト労働組合のスポークスマン崔起源(チェギウォン)さん(31)は言う。

「正規の職に就くのが難しくなり、経済の見通しは以前より悪化している。『努力すれば克服できる』と言う大人たちに対する反発も、込められているのではないか」

(朝日新聞論説委員・有田哲文)

AERA  2016年3月7日号より抜粋


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