Updated: Tokyo  2016/03/09 01:46  |  New York  2016/03/08 11:46  |  London  2016/03/08 16:46
 

民主・枝野氏:通貨切り下げ目的と言われても仕方ない-異次元緩和

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    (ブルームバーグ):民主党の枝野幸男幹事長は、日本銀行が進めている異次元緩和は明示的ではないものの、結果として円安をもたらしたことで「通貨を切り下げる目的だったと言われても仕方がない」との見方を示した。4日、ブルームバーグのインタビューで語った。

2012年12月の第2次安倍晋三政権発足後、ドル・円相場は1ドル=85円前後から15年6月には一時、125円台後半まで円安が進行した。16年の年明け以降は世界経済の変調を受け、一転して円高傾向となり、8日午後0時15分現在、112円台を推移している。

枝野氏は「この3年間はわが国が切り下げ競争で極端な施策を打つことについて他の国に容認する余力があった」と指摘。最近の世界経済状況の悪化で、「その余力がなくなってきているので、円高傾向になるのはある意味当然だ」と話した。

2月に上海で開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に参加したユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長は記者団に対し、「正直に言って、日本についても討議された。競争的な通貨切り下げの状況に陥るのではないかとの多少の懸念があった」と発言した。これに対し麻生太郎財務相は4日の会見で、G20で円の議論はなかったと否定した。G20の声明では「通貨の競争的な切り下げを回避する」ことが明記された。

選挙

7月に控える参院選で、枝野氏は「若者対策」を看板政策として掲げる方針を明らかにした。保育所の整備や奨学金など「次世代が夢を持てる政策をパッケージにして打ち出していきたい」と述べた。選挙権年齢を18歳まで引き下げる改正公職選挙法は6月19日に施行。今回の参院選で初めて適用される見込み。

衆院解散については「4月の総選挙の可能性が高い」との見通しを示す。「先に行けば行くほど株価、経済が不安定になるリスクが高い」と予想し、株価が1万円近くになると、アベノミクスが「幻想だと気づかれる」と話した。

アベノミクスに代わる経済政策として、枝野氏は「国内消費を拡大するために中間層から低所得者層の所得を底上げする」ことが必要だと訴える。具体的には、需要がありながら人手不足の介護や保育への従事者の賃金を引き上げるべきだと話した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 高橋舞子 mtakahashi61@bloomberg.net;東京 アンディ・シャープ asharp5@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:谷合謙三 ktaniai@bloomberg.net 広川高史

更新日時: 2016/03/08 12:22 JST

 
 
 
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