スポーツで汗を流すことが多い、毎日の化粧が面倒くさいという人に便利なアートメイク。アートメイクという名前は知っていても、まだまだに日本では一般的ではありません。なんとなく刺青とは違うという事は知っているけど、実際に何が違うのかがよくわからない人も多いかと思います。

また、アートメイクに興味はあるけど、実際の施術の流れや痛み、アートメイクの自然さが心配でなかなか踏み出せない人もいるのではないでしょうか。

日本では無資格施術でニュースになったり、技術力のない施術者によるトラブルなどが話題になりがちですが、リスクを理解した上で色々な情報と自分自身の納得があればアートメイク自体はそんなに怖いものではありません。

アートメイクをしている私の経験を元に、たくさんの方にアートメイクのことを知ってもらえたら嬉しいです。

アートメイクとは?

アートメイクはよく聞くけど、実際に周りでやっているという人はなかなか聞かないですよね。

そこで、アートメイクの基本的な事から、どんな人におすすめなのかどんな手順で施術が行われるのか等を紹介していきます。

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アートメイクとは?刺青とは何が違うの?

使用する器具や施術内容、方法はもちろん違いますが、一番わかりやすい違いとしては、刺青は一生消えず、アートメイクは3~5年で消えるという事です。

その理由は、色素を入れる皮膚の深さが違うためです。

皮膚は表皮と真皮の2枚から出来ており、表皮は角質を含む表面の薄い皮で、より下層部にある深い部分を真皮と言います。

アートメイクは表皮から0.02~0.03ミリの部分に着色して色を着けます。表皮の肌は新陳代謝を繰り返すため、徐々に薄くなっていきます。

それに比べ刺青はより深い真皮に色を入れるため、ほぼ退色することなく一生落ちることはありません。刺青を入れる人の事を「彫り師」というだけあって、削る・刻むというような意味合いの言い方をすることからもその深さがうかがえるかと思います。

アートメイクでは皮膚の薄い部分に施術をするため、1回の施術では色素が定着しづらく、間隔をあけて2~3回の施術をすることが一般的です。

また、刺青は麻酔をせずに施術をしますが、アートメイクは塗るタイプの麻酔をするというところも違いといえます。

 

刺青の彫り師には医師免許が必要ないと思われがちですが、アートメイク同様に刺青も医師免許が必要となり、無資格の施術は違法となります。しかしながら、刺青は歴史上文化として古来より行われてきたこともあり、医師資格を持っている彫り師はほとんどおらず、また刺青の技術を持つ医師もほとんどいないという事が現状です。

アートメイクをする上で、あまりにも安い価格であったり、医師が在中していないエステサロンだったりする場合は医師免許を持った人が施術をしてくれるのかに気を付けたほうがいいでしょう。

こんな人におすすめ

  • 自分ではうまくメイクができない方
  • メイクの時間を短縮したい方
  • スポーツやサウナで汗をかく機会が多い方
  • 眉が薄い方

顔の第一印象の8割は眉毛で決まると言われています。例えば太く濃い眉毛であれば芯のある女性、太めの平行な眉毛は知的で優しい印象、アーチ形は女性らしい優しい印象に見えます。

そのため、朝の忙しい時間に眉毛が左右非対称だったり、自分のイメージする眉毛にならないとそれだけで外に出ることがおっくうになってしまいますよね。また、スポーツをする方は汗をかいているうちに気づいたら眉毛が無くなってしまうなんてことも。

眉毛が薄いとどうしても貧相で顔がぼやけてしまうので、眉毛が薄い方にもおすすめです。また、アイラインはとても細く入れることが出来るので、自然に目元をぱっちりさせる効果があります。ただし、アイラインは下瞼にも入れるときつくなりがちなので、より自然にくっきりさせたい人には上瞼のみのアイラインがおすすめです。

最近では男性でも眉毛のアートメイクをする方もいます。

アートメイクのメリットデメリット

メリット

  • 眉やアイラインを毎日描かなくてもよい
  • メイク時間が短縮される
  • 素顔に自信がもてる

眉毛があるだけで顔立ちがはっきりするので、週末はBBクリームだけ薄く塗って外出なんてことにもあまり抵抗がなくなるかと思います。

デメリット

  • 色素の除去が困難(レーザーによる除去は可能だが時間とお金がかかる)
  • デザインの変更が困難

刺青と違い、こだわりの強いデザインというわけではなく、アートメイク自体も段々と薄くなってくるのでちゃんとしたところを選べばそこまでデメリットにはならないかと思います。

眉毛やアイラインの流行について

アイラインはそこまで太く長く入れない限り流行に左右されないと言えます。

また、眉毛もそこまで短い期間での流行の移り変わりではありませんし、段々と薄くなってくるのでそこまで形の変化についていけないこともありません。

昔のように濃くてくっきりした眉毛のアートメイクや、経年とともに青く変色するような染料は今ではほぼありませんので、より自然な眉毛に仕上がります。

またちょこっと気分を変えたいときにはコンシーラなどで軽く消して眉毛を描けばいいだけのことです。

アートメイクの種類

手彫り/機械彫り

アートメイクには手彫りと機械彫りの2種類があります。

どちらがいいのかというと好みにもよりますが、手彫りの方がより一本一本毛を描くように自然に仕上がります。機械彫りはより正確性があるので下手な人に手彫りをされるぐらいであれば機械の方がいいかもしれません。ただ、機械でも濃くべったり色づくわけではないので人い言われない限りわからないぐらいです。

手彫りは特にですが、どちらにも言えることとして技術力のある人を見つけることが一番重要です。施術者の腕が全てです。

インクの種類

刺青の顔料には、磁性体を多く含む染料があるためにMRIを受けることが出来ない場合があります。

アートメイクも同様に金属を含む染料もありますので、金属が含まれていない染料を使用しているところで施術することをおすすめします。

MRIは磁場と電波を用いて体内などの画像を撮影するため、金属が含まれる染料を使う場合は染料に反応して火傷を起こす場合があります。急に脳の検査を受けることになった場合にMRIを受けられなくなってしまうなんてこともあるので、染料の中に金属が入っていないか事前に知っておいたほうがが良いでしょう。

アートメイクの前に準備しておくこと

施術のための準備

眉毛の余分な部分は事前に短く切るなどして整えておきましょう。

また、病院で自分のなりたい眉毛を具体的に伝えるためにも切り抜きや写真などを見せると良いでしょう。ただし、理想の眉毛が誰にでも似合うというわけではありませんので、プロに相談しながらデザインを決めていきましょう。

施術後のための準備

施術後約一週間程度は眉毛が非常に濃くなりますので、周りに絶対にばれたくない!という方は前髪を作っておくことをおすすめします。

また、色が定着するまでの約一週間は施術場所の乾燥は厳禁となりますので、ワセリンを用意しておくとよいでしょう。病院でも術後のクリームを用意してくれることもありますが、買う必要があったり、量が少ない場合もあります。

施術の流れ

病院によっても施術の方法は違いますが、ごく一般的な施術の流れを紹介します。

1.カウンセリング

化粧を落とし、どんな眉毛・アイラインにしたいのかを理想を元に自分に合うデザインを決めていきます。ペンシルを使って描いてくれるので、完成後のイメージもつきやすいですし、気に入らなければすぐに修正をすることが出来ます。

2.麻酔

カウンセリングが終了したら施術の痛みを和らげる麻酔クリームを塗ります。

15~20分程度麻酔が効くまで時間を置きます。施術中でも痛い場合は麻酔クリームを追加することができます。

3.施術

眉毛・アイラインともにそれぞれ1時間程度で施術が終わります。

麻酔の効き具合や、病院によって痛さはかなり変わります。ただ、一つ言えることは我慢できる程度の痛みだという事です。まれに施術中に寝ちゃったという人もいますが、手彫りだと針で肌をザッザッとされている間隔はあるかと思います。

施術の最終段階で実際のデザインの確認も行って整えながら施術は終了となります。

4.クールダウン

施術後は熱を持っているのでしっかりと冷やしてクールダウンを行います。

施術直後はかなり濃い色のため、初めて受ける人はショックを受けるかもしれませんが、1週間程度経つと色が定着して自然な色になりますので安心して下さい。

 5.施術後

洗顔などは行っても大丈夫ですが、施術部分は強くこすったりしないようにし、1週間程度は乾燥しないように常に保湿するようにしてください。またスポーツやサウナなど汗を多くかくことは控えてください。

2回目以降の施術

3週間~1カ月程度の間隔をあけてから2回目の施術を行ってください。

2回目の施術を行わなくても色はつきますが、2回以上施術をしたほうが色は定着します。そのため2回セットや3回セットでの施術料金プランが用意されているところもあります

アートメイクの病院を探すときの注意点

技術力と衛生面を重視して探すことをおすすめします。

前述したとおり、眉毛はその人の印象を大きく左右しますので自分が満足できる仕上がりのデザインになるかどうかは技術者の腕次第と言えるでしょう。また、アートメイクの針は一般的には使い捨てですが不衛生な環境だと感染症などの心配もあります。

どうやって見極めるかも難しいですが、病院の口コミなども参考にしながら病院選びは慎重に行って欲しいと思います。

まとめ

アートメイクは昔と比べて気軽に受けられるようになってきました。海外では比較的安く受けることも出来るため海外旅行ついでにアートメイクをする人も少なくありません。

アートメイクをするうえでとても大切なことは妥協をしないことです。

病院選びはもちろんのこと、デザインを決める際にも自分が気に入らない場合はとことん伝えて、自分自身が満足できるようにしてください。

自分の印象を変える顔の一部なので、妥協をせずに楽しんでアートメイクをしてもらえればと思っています。

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