映画「人生は小説よりも奇なり」のあらすじ,ネタバレ,レビュー
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ストーリー・ネタバレ
アメリカ。ニューヨーク州ニューヨークシティのマンハッタン。
画家としての才能の認められることのないままに71才となったベンと学校で音楽の教師をしているジョージは39年間ゲイカップルとして過ごしてきた。2011年にニューヨーク州で同性結婚が認められた事を機にこの2013年にやっと結婚にこぎ着けた。
ベンとジョージの結婚式には彼らを支えてきた大勢の同性カップルや家族が出席し、とりわけベンの甥夫婦エリオットとケイト、そして2人の子供ジョーイは彼らとの距離が近かった為に仲が良く、彼らの結婚を祝福した。
ベンは絵を描くと言っても収入の大半は年金。長年一緒に住んできたアパートを買い上げた資金というのはジョージの教師としての給料が大きかったのかもしれない。ジョージの勤める学校はジョージとベンがパートナーとして一緒に住んでいることを知っていたが、生徒達に漏れたSNSの2人の写真があり、ジョージが学校にベンとの結婚を報告すると学校を経営する神父は教師を辞めるように促した。ジョージはソレを受け入れるしかなかった。
買い上げたアパートのローンもありこのままでは食べていけないとベンとジョージはアパートを1万5000ドル程度で手放した。住む家を探す間2人は彼らの家族や友人達に泊めてくれるように頼んだ。そしてベンはエリオット、ケイトそしてジョーイの住むアパートへ、ジョージはと言うとゲイの友人達の家にやって来た。新婚早々の別居…。
仕事で忙しいエリオット、妻のケイトは小説家であり家でパソコンに向かい小説を書いている。息子ジョーイはしばらく友達が出来ずにいたが年上の友達ヴラッドが出来て四六時中一緒に居るという“ハル家”。そこに飛び込んできたのが一家と仲が良いベン。
ベンは画材をハル家に運び込んだが一人になれないと絵は描けないと、家の中でパソコンに向かうケイトに独り言なのかその延長なのかでやたら話しかける。それでケイトは執筆が進まずにイライラ。夫エリオットは家に帰っても仕事の電話が多々あって自分の血の繋がった伯父であるベンに関心を払わない。こんなハル家、ジョーイの万引き疑惑が持ち上がりケイトが学校へ呼び出された。先生と会ったケイトは息子が友人ヴラッドと関係を…?などと相談したりする。
家での4者会議。やっていないと言い張るジョーイ。息子を詰問するケイトとエリオット。癇癪を起こしたジョーイが部屋に帰ってしまうとベンはジョーイが万引きした本を見かけたことを口にした。ケイトとエリオットは“言うのが遅い”と怒り部屋に行きジョーイを叱った。
一方のジョージ。ピアノの家庭教師の仕事を見つけた。偶にベンと会うと二人で住む為のアパート探しで役所にやって来るも同性夫婦の為に積極的には動かない役所の職員がいて部屋は見つからない。ジョージの住む家の主ははしゃぐことが好きであり家の中には何時も陽気な音楽が流れている。こんな状況+ベンと離れたという事でジョージの不満と不安と…は…。
結末・ラスト
※公開後暫く経ってから後のストーリー(結末の前に大きな波乱があります)、及び結末まで記載します。劇場では待っている事実にアナタは…。劇場に足を運ぶ前に公式サイトでディレクターズノートをチェックすると面白いぞ!
レビュー・感想・解説・評価
リンクについて
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この感想・レビュー欄では結末に触れていますのでご注意下さい。
「ミシシッピの夜」、「あぁ、結婚生活」のアイラ・サックスが描く老年期の男性同性愛カップル with コメディ。公式サイトに“サックスがゲイをカミングアウトしている”とある。
・このカップルの内お年を目した方(…あぁ怒られそう)を演じるのは「ガープの世界」、そして「愛と追憶の日々」で2度オスカーにノミネートしているジョン・リスゴー。シルヴェスター・スタローン主演の雪山アクション「クリフハンガー」が頭の中にこびり付いていて“恐い”ってイメージが強いなぁ。「ペリカン文書」、そして「シビル・アクション」など。なお同作のラストには「ミザリー」女キャシー・ベイツが…判事としてカメオ出演☆
・そしてカップルの若い方…っても設定は60歳前後???な音楽教師を演じるのはアルフレッド・モリーナ。うん「スパイダーマン2」では目立つ良い役。他に「スピーシーズ 種の起源」、「アイデンティティー」など。
・ベンの姪に「いとこのビニー」のアカデミー助演女優賞ウィナー、マリサ・トメイ。マリサは他に「イン・ザ・ベッドルーム」と「レスラー」でもオスカー助演賞にノミネートしている。他に演技派俳優が揃ったシリアスな作品「スーパー・チューズデー ~正義を売った日~」、おバカコメディ…でもどこかホンワカな「ラブ・アゲイン」など。
悲喜劇とあるが喜劇要素はそれ程ない。数シーン笑える要素はあるが。だから明るくなれる展開、例えば2人がゲイバーでお酒を酌み交わすシーンやクラシックコンサートでアップで映し出される2人の顔のシーンなどホンワカとなる。
パンフレットには“ショパンやベートーベンの名曲が使われている”とあるが知っている方はかなり楽しめるだろう。toikunはすんません聞いたことがある曲はあったけど誰の曲だかは分からず。クラシカルな音楽が良かったと感じられたのは演者が弾いているシーンではなくバックグラウンドで流れているシーンだった。
↓ココ、書かれていない展開に触れます。
階段から落ちるシーンはなく、また結末となるベンの“ ”のシーンも全くないことについて、状況を理解するのには時間はかかる。だがソウした事=決定的な悲劇を描かないことで見る者の心を暗くさせないようにとの監督サックスの配慮だと受けとめる。それに暖かい音楽が全編を彩ることもあり良い気分で帰ることが出来るのだ。
ベンとジョージの関係だけでなく“ハル家”の抱えるモノも同時に描かれる。“2つのサークル”はどちらも巧くいかない。そして結局どちらの結末も悲劇だったり描かれないであったりになるのだが、ジョーイに彼女が出来て一緒に夕焼けに染まるシーンがある事で救われる。
先日レビューした「太陽と月に背いて」ではあからさまな男性同士のシーンがあるが今作ではジョン・リスゴーとアルフレッド・モリーナのキスシーンだけ。苦手な方にもきっと拒否反応なしで“味わい尽くせる”映画。
バカみたいな原題訳をしましたが、アナタなら映画を観て何と訳せる?
3月12日(土)からシネスイッチ銀座等で公開される。Have Fun!
…toikunは本日、同所で試写会に出席して観ました。ホントに良い気分になったんだけどジュース飲みすぎてエンドロールが終わったらトイレに駆け込んでしまった。で、始まっているであろうLiLiCoさんのトークショーに途中から入る勇気がなくてごめんなさい。それとtoikunは糖尿病なので保険には入れないんですよ、某保険会社さん…。
2016/03/08
by toikun.