県議会 朝鮮学校、補助金是非検討へ 文科省の確認要請で知事
2016年3月8日(火)
【総括質疑で答弁する鈴木知事=県議会議事堂で】
鈴木英敬知事は七日の県議会予算決算常任委員会(青木謙順委員長、五十人)で、文部科学省が朝鮮学校に補助金を支出している自治体に対して、支出の妥当性を確認するよう求める通知を出す意向を示したことについて「通知に(北朝鮮への)制裁強化という経緯があるならば、その経緯も勘案したい」と述べ、補助金支出の是非を検討する考えを示した。津田健児委員(自民党、四期、四日市市)への答弁。
津田委員は「朝鮮総連は朝鮮学校と密接な関係がある」とする松原仁国家公安委員長=当時=の衆院予算員会での答弁を引用した上で、朝鮮学校での教育内容について質問。県当局は「授業や教科書、財務状況について確認しているが、問題はない」との見解を示した。
高沖芳寿環境生活部長は文科省から通知があった場合の対応について「通知の内容が詳細に分かっていない段階。どう(朝鮮学校を)チェックするかも含めて検討する」と答弁。鈴木知事は「(北朝鮮に対する)制裁の強化の経緯があるならば、その経緯を勘案することも必要」と述べた。
これに対し、津田委員は「朝鮮学校がしっかり教えていることは確認しているし、評価しているが、補助金は強く辞めてほしいと要望する」と述べた。
県は平成四年度から、四日市市にある朝鮮学校に補助金を支出。当初は年間百万円だったが、二十一年以降は年間三百万円を補助している。県によると、全国の二十七都道府県に朝鮮学校があり、うち三重など二十道県が二十八年度当初予算に朝鮮学校への補助金を計上しているという。