両方できるとモテ方が違う。エディトリアルデザイン(紙)とWebデザイン(ブラウザ・モニター)の違いをおさらい
『入会のしおり』全36ページの冊子を作成しました
先日、サイタカメラ教室(グループレッスン事業:詳しくは先日のプレスリリースをご覧ください。)で配布する全36ページの冊子『入会のしおり』を作成しました。
弊社のデザイナーは私1人で、普段はWebのデザイン作業をメインとしていますが、
まさかコーチ・ユナイテッドに入社して結構しっかりめのエディトリアルができるとは思っていなかったので、改めて紙とWeb、両方のデザインができてよかったな、と実感しました。
と、同時に個人的にも久しぶりの紙案件を通じ、エディトリアルデザインとWebデザインにはそれなりに違いがあるということを再確認したので、まとめてご紹介しようと思います。
これから両方をマスターしたいという方や、転向したいと考えている方の参考になれば幸いです。
紙とWebの違い一覧
ザーッと箇条書きしてみると、
・完成物の見せ方
紙)紙の選定などを除き、デザイン開始から一貫してその形でユーザーに情報を届ける。
Web)デバイスのサイズや、ページ中の機能により形が変わるので、文字組み・段組みに対するある程度のこだわりを捨てる必要がある。また、エディトリアル出身デザイナーは、「A4サイズといったサイズ概念がない」ということを始めに理解しておかないと、最初から躓く。
・カラーモードが大きく違う。CMYKとRGB
紙)印刷における色の表現方法はCMYK。
インクによる光の吸収を利用して色を表現している(減法混合)ため、RGBと比較すると、色域が狭いので、鮮やかな色はくすむ。
各印刷会社の色見本の確認がとても重要。鮮やかな色や金色や銀色などは特色を使うことでカバーするしかありません(通常特色はオプションとなり、費用が高く)。
Web)ディスプレイにおける色の表現方法はRGB。
ライトの発光を利用して色を表現(加法混合))なので、デザイン作業中の色がそのまま反映されるので、CMYKと比べると特に気を使うことはない。
CMYKのような特色が使えないので、本物の金色銀色や、蛍光色は表現できない(それっぽいのを作るしかない)。
・ベクターとラスター
紙)コンピュータ内部で表現した画像。拡大縮小しても荒れることがないのが特徴。
Web)ドットを集めて構成された画像、劣化に注意が必要。
・dpi
紙)dpiとは、1インチあたりのドット(点)量。
印刷物の場合、多くの印刷会社が推奨している350dpiに解像度を指定する。
Web)一方ディスプレイの場合は72dpiに解像度をして作業を進めていくのが一般的。
・単位
紙)印刷を考慮し、mmに単位設定して作業するのが一般的。
文字やテキストはpt を使うことが多い。
Web)pxが一般的。
・フォントの扱い
紙)使えるフォントがとても多く、商用利用無料のものも多い。
Web)デバイスに左右される&まだまだ日本語Webフォントのハードルは高い印象。日本語サイトの場合、画像に頼らざるを得ないのが現状。
・レイアウトの仕方
紙)1文字レベルで細かに調整。段組も自由自在。
Web)後のコーディングや、デバイスの違いを考慮。大胆なことがし辛い。
・プレビューの仕方
紙)実際に刷って仮製本をする。以外に時間がかかる
Web)すぐブラウザ(モニタ)で確認できる。
・デザイン完成後のアクションとゴール
紙)文字校や色校はとても大変。入稿時に急に不安になることも。(鍵しめたかな…で何度も確認したくなる感じに近い。)
ここまでの険しい道のりを経て印刷された現物を見たときの感動は一入。つまり印刷したらひとまずゴール。
Web)デザイン完了後はコーディング作業に突入。
ここからがスタートかもしれません。多角的な検証を元に、更新され続けるのが当たりまえ。
でもデザインすることは変わらない
このように紙とWebにはなかなかの違いがあるわけなのですが、たとえ媒体が異なっても、ユーザーへのメッセージを"形"にして設計する というというデザインの本質は変わりません。
従って、『情報の整理』や、『情報の整頓』、『ヴィジュアルの規則性(反復)』、『色使い(魔法使い的な”使い”)』といった基本原則はどんな媒体にも通用します。
違いを理解し、各媒体に対して目を肥やしていけば、紙とWeb、両方をデザインすることはそこまで難しくはないと思います。
個人的にはWebデザイナーも紙領域を(その逆も然り)できた方が、双方様々な部分で応用が利くと思いますし、デザイナーという立場でチームに貢献できる度合いが増す=モテると思っているので、デザイナーは臆することなく双方の作業をどんどん経験するべきだと思います。
余談ですが、この『入会のしおり』は、私がコーチ・ユナイテッド株式会社にフルタイムで入社してから2ヶ月経った後にスタートした案件でした。
入社以来、新規自社メディアのデザイン、スマホサイトリニューアルといったヘビー案件を経て、今回の本気紙案件を短い期間で行えたことは、デザイナーとしてとても恵まれた環境だなと感じました。
冒頭でお話しした通り、デザイナーは私1人だけです。
弊社は、Webも紙もデザインしなくてならないことがまだまだ沢山あります。今後控えているデザイン作業案件は、スタートアップのインハウスらしい、バリエーション豊かで、やり甲斐のあるものばかりです。
Webも紙も問わず、デザインすることに夢中になれる方、是非、一緒にデザインの力とマインドで、課題解決・サービス成長の起爆剤になりましょう!
この記事で、少しでも弊社に興味を持っていただけたのであれば、お気軽にご連絡ください。お待ちしております!