市場の信頼回復に失敗した李克強首相
世界の金融・資本市場は先週、ようやく小康状態を取り戻した。とりあえず、G20(20ヵ国)財務大臣・中央銀行総裁会議が先月(2月)27日、「あらゆる政策手段を導入する」「通貨の競争的な切り下げを回避する」といった言葉を連ねた共同声明をまとめたことを評価した格好だ。主要株式市場の先週末の終値は、日経平均株価が1万7014円、NYダウが1万7006ドルとそろって大台を回復した。
しかし、これで危機が去ったと安堵するのは大きな間違いだろう。G20の声明は経済協調の一般論を記しただけで、経済危機の患部に対する処方箋になっていない。換言すれば、目先の時間稼ぎに成功したに過ぎないのだ。
一方、世界的な経済危機の元凶になっている中国では、外貨準備高の減少が今なおハイペースで続いている。近く外貨準備高が3兆ドルの節目を割り込むのは確実で、そうなれば昨年夏や今年初めを上回る国際的な信用不安を誘発しかねない危機である。
肝心の中国当局は、先週土曜日(5日)に開幕した全国人民代表大会(国会に相当)で李克強首相が市場の不信を買った。具体策がないまま、過剰生産の象徴であるゾンビ企業の整理と、6.5%を超す高めの成長という相反する目標を両立させると強弁し、市場の信頼回復に失敗したのだ。
残された時間は少ない。国際社会は、経済政策で後手に回る中国当局に軌道修正を迫り、信用不安を払しょくするための処方箋を示させることができるのか――。世界経済は歴史的な岐路に直面している。
中国の外貨準備高は2014年6月末に3兆9900億ドルとピークに達した。が、その後、減少に転じ、今年1月末には3兆2309億ドル(約378兆円)と、ピークから2割も減少した。特に最近は減少が顕著で、昨年12月に前月比1079億ドル減と過去最大の減少を記録、今年1月も同995億ドル減と、月1000億ドルペースの減少が続いている。
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