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中国国内銀行部門、不良債権額が過去最高に 15年22兆円

2016/3/7 18:51
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 ■中国国内銀行部門 中国銀行業監督管理委員会によると、不良債権額が昨年、過去最高の1兆2700億元(約22兆1200億円)に達し、不良債権比率は1.67%となった。不良債権予備軍も含めた総額は業界全体の利益の2.6倍という。

 中国の不良債権比率はこの数字で見る限り、2015年6月時点での米国の不良債権比率約3%、欧州連合(EU)の5.5%に比べ健全に見える。しかし、アナリストらは中国の統計の信頼性に疑問を投げかける。マッコーリー証券の上海駐在シニアアナリスト、マシュー・スミス氏は「中国であの数字を信じている人に会ったことはない」と言う。

 ゴールドマン・サックスは2月17日付のリポートで、中国の15年の不良債権比率は8~9%に達している可能性が高く、経済成長に陰りが見え始めた12年の4~6%から上昇していると指摘した。

 ただ、中国の銀行のシステミックリスクは低いという見方も多い。「信用リスクが高まっていることは間違いないが、中国の銀行がぐらついているという結論にはならない」と、投資銀行ナティクシスの大中華圏担当シニアエコノミスト、アイリス・パン氏は言う。中国の銀行は貸倒引当金カバー率が平均235%と高いほか、政府による流動性の提供が金融システムへの影響を和らげるからだという。(香港=何楽怡)

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