堀込泰三 - 仕事術,旅行,趣味 10:00 PM
出張にちょっとしたバケーションをねじ込んじゃおう
出張って、ほろ苦いものですよね。せっかくロンドンに何日かいるのに、散策は一切できず、働くだけ。そうならないためにも、少し時間を作って訪問先を楽しみましょう。会社のお金でバケーションを楽しもうと言うのではありません。入念に計画をすることで、出張を成功させながら、楽しむ時間も捻出するのです。
観光の優先順位をつける
出張先では、あまり自分の時間が取れません。どんな種類の旅行でもリサーチは重要ですが、時間がないときにはなおさらです。大切な限られた時間を、予期せぬサプライズで無駄にしたくはないでしょう。
出発前に、その街で楽しめることをすべてリサーチしておきます。博物館、レストラン、ショーなど、見たい場所や行きたい場所をすべて書き出し、自分の時間に応じて優先順位をつけてください。膨大なリストのうち、時間的に2つ3つしかできないことが多いでしょう。ですから、それらを大切にしてください。旅の目標を立ててもいいでしょう。「パリで食べたことのないものを食べたい」「ローマでとっても素敵な遺跡が見たい」という具合に。
手始めに、ロンリープラネットのガイドアプリ(iOS、Android)がオススメです。現在38の都市が掲載されていて、訪問先、旅のヒント、エチケットの提案などの情報が集約されています。情報のブックマークやオフラインで見られるように保存することも可能です。
「Frommer's」も、限られた時間ですることを見つけるのに適した情報源です。目的地で検索すると、「Suggested Itineraries」で旅程をお勧めしてくれたり、1日しかなかったら何をすべきかを教えてくれます。もちろん、掲載されている場所は、大半が観光地化されています。その町に住んでいる人や訪問したことがある人を知っているなら、行くべき場所、行かなくてもいい場所を聞いてみましょう。それか、最初から彼らの専門的なアドバイスを聞いてしまったほうがいいかもしれません。
詰め込み過ぎにも要注意です。仕事で出張しているのですから、それ以外でストレスを感じるようではいけません。レジャーのスケジュールは軽めにしておいて、それを最大限に楽しめばいいのです。時間に追われている感覚から解放されて、探索を思いっきり楽しんでください。
もちろん、可能であれば、仕事を終えたあとに1日休みをくっつけて旅程を伸ばせるといいでしょう。滞在費は自費になると思いますが、そこに行くまでのお金は会社が出してくれているのでお得です。
隠れた乗り継ぎを利用する
自分でフライトを予約できるなら、隠れた乗り継ぎ都市を探しましょう。
乗り継ぎに数時間かかるようなフライトを見つけて、その間に空港を離れて町を探索するのです。当然、仕事のスケジュールに支障がないようにすることが大切ですが、決まった時間に目的地に着く必要がなければ、これはオススメの方法です。
筆者は先日、ノースカロライナへの出張でこれをしました。到着時間は決まっていないし、夜にやることも決まっていなかったので、ヒューストンで乗り継ぎに3時間かかるフライトを選びました。その時間を利用して、両親を訪問して一緒にランチをしたのです。懐かしい顔を見て、仕事モードに入る前にカジュアルで楽しい時間を過ごすことができました。
「CleverLayover」や「Skipplagged」など、隠れた都市を見つけるのに便利なツールがありますが、「Google Flights」でも可能です。フライトを検索して「その他」タブをクリックすると、乗り継ぎ都市の一覧を見ながら選択することができます。すべてを検索したければ「乗り継ぎ地指定なし」を選択してください。
乗り継ぎ都市に友人がいるかもしれませんし、立ち寄って楽しいスポットがあるかもしれません。いずれにしても、自分で検索してフライトを見つける柔軟性があるなら、これはシンプルながらお得な方法です。
戦略的にホテルを選ぶ
ホテルの場所をうまく選べば、オフの時間を有効に使えます。仕事と行きたい観光地を考慮して、ホテルを予約しましょう。
仕事にかける時間のほうが長いでしょうから、仕事先の近くに泊まるほうがいいと思うかもしれません。でも、仕事、楽しみ、宿泊の3つを同程度に考慮して計画を立てれば、通勤時間を抑えつつ、観光地からもそう遠くない場所に泊まれます。つまり、自由時間が増えるのです。
たとえば、米Lifehackerの編集長であるアラン・ヘンリーは、ニューヨークへの出張時にこの方法を使っているそうです。具体的には、オフィスからUberですぐでありながら、素敵なパブや食堂にも近い場所に泊まります。そうすることで、地下鉄の時間を気にせずに通勤しながら、楽しいこともできるのです。
出張先での会議やカンファレンスがビジネス街で行われることもあるでしょう。多くの場合、そのようなビジネス街は夜や週末には空っぽになり、活気を失います。だから、ホテルはもっと活気のある場所に選んだほうがいいかもしれません。そうすれば、仕事を終えてホテルに戻ったあとに楽しいことが待っています。ある日を境に自由時間が増えるような場合は、仕事先の近くと繁華街に、2つのホテルを予約するのもよさそうです。
行きたい場所の近くで打ち合わせを計画する
クライアントに会うなら、クリエイティブに場所を選びましょう。オフィスの近くで打ち合わせを設定するのもいいですが、もっと興味深い場所にしてみてはいかがでしょうか。それか、オフィスで打ち合わせをしたあとにいったん解散して、繁華街でのディナーや飲み会で合流するという方法もあります。ショーや観光をしてもいいでしょう。「Forbes」では、次のような提案をしています。
ホテルのロビーやレストランで打ち合わせをするのではなく、たとえばあなたの見たい展示会にクライアントや同僚を招待してみましょう。もっとお堅い関係なら、行きたい場所の近くで食事会を設定し、その前後に行くようにします。
スケジュールに明確な境界線を定めておくと便利です。1時間のコーヒーミーティングのはずが、雑談ばかりでいつの間にか3時間になっていたということはよくあります。ですから、クライアントや同僚には、打ち合わせの終了時間が決まっていることを伝えておきましょう。嫌味な言い方をする必要はありません。シンプルに、「朝10時から11時30分で朝食はいかがですか?」と聞けばいいだけです。そうすれば、相手に悪い印象を与えることなく、ほかにもやることがあることを知らせることができるはずです。
もちろん、セントラルパークで遊びたいという理由で打ち合わせを切り上げるのはダメです。出張中の楽しみは二の次。でも、境界線を決めることで、限られた自由時間を守ることができるでしょう。
Kristin Wong(原文/訳:堀込泰三)
Illustration by: Sam Woolley.