ワイン投資ファンドを運営するヴァンネット(東京・新宿)に対し、東京地裁は7日、破産手続きの開始を決定した。約520人が出資した約36億円が未償還になっているといい、償還を受けられない可能性がある。その他の債務も含め、負債総額は40億円を超える見通し。
関係者によると、同社は2000年に設立。投資家から資金を募って、将来的に値上がりを見込んだフランス・ボルドーなどのワインを購入。熟成後に売却して、得た利益を投資家に配分していた。計25の投資ファンドを運用し、約2千人から計約77億4千万円を集めたが、14ファンドの計約36億円分が償還できない可能性がある。
昨年12月に、同社の代表取締役が社内に対し、ファンドの運用実績について虚偽報告していたことを告白。同社が外部の弁護士に依頼し、事実関係を調査していた。
調査によると、代表取締役は08年以降、運用で出た損失を隠すためにワインの在庫数や売買取引の内容などを偽っていた。在庫は書類上よりも大幅に少ない約1億円分しかないという。
関東財務局は昨年12月25日、金融商品取引法に基づき同社に対して金融商品取引登録の取り消しと業務改善命令の行政処分をした。