東京農業大学や国立極地研究所などのチームは7日、絶滅したとされるニホンカワウソが日本の固有種だった可能性が高いとする分析結果を発表した。高知県の動物園が保管していた剥製のDNAを調べてわかった。これまでは中国やロシアに生息するユーラシアカワウソの亜種と考えられていた。米国科学誌プロスワンに掲載された。
かつて全国に生息していたニホンカワウソは、1979年に高知県で見つかったのを最後に姿を確認できず、環境省が2012年に絶滅種に指定した。
研究チームが高知県で捕まった1匹の剥製に残る肉片のDNAを解析したところ、ユーラシアカワウソとは違う種だった。DNAの配列を調べると、約127万年前に陸続きだった大陸から日本に渡り、国内で独自の進化を遂げた可能性が明らかになった。
一方、研究チームは神奈川県内で捕獲されたとするニホンカワウソの皮のDNAを調べ、ユーラシアカワウソの亜種だと12年に報告していた。詳しい検証が必要だが、国内に2種が共存していた可能性もあると説明している。