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2016年3月 7日 (月)

非ジョブ型大学と不動産投資

西川純さんのブログで、一見何のことを言ってるのかすぐにはわかりにくい譬え話が書かれています。

これを読んで、何の譬え話だかわかりますか?

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20160305/1457171331 (愚か)

 ある若者がいました。父を早くなくし、母のパートで生計を立てています。同級生がオシャレを楽しんでいるとき、それをぐっと我慢していました。豊かになりたい。親孝行をしたいと願いました。そこで目をつけたのは不動産投資です。不動産投資の勉強を一生懸命にしました。しかし、投資するためのお金がない。そこで借金をしました。ところが投資はうまくいきません。やがて借金生活になりました。とても払えません。しかたなく破産することにしました。しかし、破産した場合、連帯保証人の母に督促が行きます。母はわずかな年金で生きています。

 これを読んで若者に同情しますか?

 その若者が「家が貧乏だったら不動産投資をしてはいけないのか?」と言ったらどう思いますか?

 その若者が貧しい家庭の人が不動産投資をするための基金づくりのために募金活動をしたら、あなたは募金しますか?

 私は同情しません、募金もしません。

 そして、「何で不動産投資みたいなものに手を出すんだ。もっと地道にやれることがあるだろう。」と思います。

 おそらく、大方の人は同意すると思います。

と、ここまで読んでも、多分かなり多くの人は、不動産投資するような若者には同情できないな、と思いながら、それにしてもこの筆者はこの譬え話で何を言いたいんだろう、といぶかしく感じているのではないかと思います。

その正体はすぐに明かされます。

 中日新聞が奨学金で苦しむ若者を特集しました。・・・それを読んだとき、私は「愚かだな~」と思います。今の世の中で、投資に見合うものを提供できる大学は多くありません。分の悪い投資なのです。もともと、お金に余裕がある人がやるのはいいですが、借金してまで投資するものではないのです。

 中途半端な非ジョブ型大学に行くぐらいだったら、職業高校で手に職をつければ良いのです。高卒で大卒より安定した生活を得ている人は少なくありません。

 その若者に大学進学という不動産投資を教えた人がいるはずです。おそらく、教師でしょう。たしかに昔は大学進学という投資が儲かった時代もありました。でも、今はそうでないことを、不勉強な教師は知らないのです。

そう、金を稼げないような非ジョブ型大学に行くために金をつぎ込むのは、不動産投資をするのと同じくらい「地道じゃない」ことだという、ジョブ型社会であれば極めてまっとうな常識です。ジョブ型社会であれば。

でも、実を言うと話はそこで終わりではありません。

普通であれば不動産投資と同じような金が余っていればやっても良い道楽であるはずの非ジョブ型大学への進学が、必ずしもそう見なされてこなかった、いやむしろ、なまじジョブ型の教育機関などに行くと落ちこぼれと見下され、非ジョブ型大学でスキルのかけらも身につけなかった学生の方が、企業から好んで採用されるという状況が数十年にわたって継続してきたという日本の現実があればこそ、不動産投資とは全然異なるまっとうな投資として高く評価され、それゆえにそれを目指して苦労したあげくに苦しむ若者を生み出しているわけですから。

非ジョブ型を高く評価するという奇妙な社会の現実に過剰適応したことをその中で育ってきた若者の個人責任として糾弾して済む話ではない、からこそ、問題は構造的に論じなければならないのです。

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