ある女性会社員(27)は先月の旧正月連休中、今年小学校に入る甥(おい)のため、その母親である姉に「通学カバンをプレゼントする」とつい約束してしまい、大変な目に遭った。ソウル市内のデパートを7店も歩き回ったが、姉や甥が望む製品が見つからなかったからだ。女性会社員が探していたのは、1セット19万7000ウォン(約1万8000円)する人気ブランド「ビーンポール・キッズ(BEAN POLE KIDS)」の製品だった。女性会社員は結局1カ月近くもインターネットのショッピング・サイトをチェック、やっとのことで「人からプレゼントされたが使っていない」というカバンセットを中古品取引サイトで見つけ、購入することができた。
小学校入学シーズンを前に、保護者の間で1つ20万-100万ウォン(約1万8000-9万円)する「プレミアム通学カバン」が飛ぶように売れている。インターネット・ショッピングサイト「11番街」によると、今年1月の1カ月間にビーンポール・キッズ、ダックス・キッズ(DAKS KIDS)、ヘジス・キッズ(HAZZYS KIDS)など、いわゆる「プレミアム通学カバン」製造会社の通学カバン売上高は前年同期比で113%増加したとのことだ。特にビーンポール・キッズの製品は昨年10月の発売以来、5カ月で6万5000個売れたという。同社関係者は「小学生用通学カバンは今年で4年連続、新学年開始前に完売した。一部店舗の展示用在庫品以外には製品が残っていない」と話す。
品薄なのに需要は高いため、し烈な「情報合戦」が繰り広げられている。インターネットを通じて人気の通学カバン取り扱い店舗別在庫情報を共有する保護者も少なくない。中古品が取引できるインターネット掲示板には、プレミアム通学カバンを手に入れるため「金額上積みします」という保護者の書き込みが多数ある。釜山市蓮堤区に住むキムさん(35)=女性=は「この間、ネットのショッピング・サイトにビーンポール・キッズの通学カバンが入荷したという話を聞き、すぐにサイトにアクセスしてカートに入れたが、決済の途中で別の人に買われてしまった」とため息をついた。ロッテデパート・ソウル明洞店関係者は「通学カバンの在庫を問い合わせる電話は一日30本ある」と語った。