日経ビジネスオンラインが3月7日に配信した「逃げる女性は美しい」という記事に対して、批判が広がっている。
筆者の作家・エッセイスト本島修司さんは記事中、「仕事に邁進して嫁に行きそびれ、友人が結婚するたびキーキーとヒステリーを起こしたりする」など、働く女性を揶揄する表現を繰り返している。Twitterでは「女を馬鹿にしてる口調がまず腹立たしい」といった声が上がっている。
記事中で、本島さんは次のように書いている。
人生で達成できることは1つか2つ。女の人の場合、「仕事と結婚」か「結婚と子育て」ではないかと思う。
本島さんの考えでは、女性は30歳前に仕事を捨てることが「正しい」。
女も「仕事も恋も諦めない、できる美人」という、テレビドラマが焚き付けた虚像を目指すより、30前になったら仕事をいったんお休みしてでも、心も経済面も安定させてくれる男を一度探してみる(仕事を捨てる)行為の方が、正しいように僕は思う。
記事では、女性管理職を「バリキャリ」、仕事と子育ての両立を目指す女性を「自称万能ガール」と呼び、そうしたライフスタイルを揶揄している。
バリキャリの女上司が「産んだらすぐに戻りましょう、そういう時代です、ウチは育休制度もカンペキ♪」と、言うかもしれない。 もちろんよ、そういう時代♪と乗せられている自称万能ガールより、「カンベンしてくれ……辞めてゆっくり子育てをしたい……」と思っている女の子が、今の日本には、案外、溢れかえっているように思う。
仕事に邁進して嫁に行きそびれ、友人が結婚するたびキーキーとヒステリーを起こしたりする。 結果、家庭と向き合う覚悟なく専業主婦になって、旦那が家事を手伝ってくれない、私は家にいるばかりと、キーキー文句を言ったりする。
この記事が公開されると、Twitterでは批判の声が相次いだ。
こんなに不快な記事見たことないってくらい不快だな。決められた目的に嫌々向かうことが、本気で簡単だと思ってるのかな。正しい正しくないだけで生きる道を決められる人間なんて、いるかいな。 逃げる女性は美しい https://t.co/vkWI5C9B8A #日経ビジネスオンライン
— あっちゃん (@akyosan_)
本島さんは「では、第1回、行きましょう」と書いており、この記事は「セケンの勝ち方」という連載コラムの1回目のようだ。
日経ビジネスオンラインに記事の趣旨や、記事に対する見解を尋ねたところ、同社広報から「記事連載の中で意図、趣旨等を汲んでいただきたい。SNS上での声は今後の連載の参考にいたします」という回答があった。
サムネイル写真:Topp_Yimgrimm / iStock