2016-03-07

偏差値50以下の大学廃止しても、大学は半分ずつ減らない。

官僚作家の人が「偏差値50以下の大学廃止しろ」とツイッターで主張し、それに対して、「偏差値50は平均値から、毎年半分ずつ大学が減っていく」とのツッコミが行われていますが、このツッコミは間違っています。どういうことか以下、説明します。

1「大学偏差値」とは、模擬試験における合格ラインである

いわゆる「大学偏差値」とは大学のもの能力を示した数値ではありません。模擬試験を受けた受験生偏差値を割り当て、各大学合格ライン推定したものです。母集団大学ではなく、受験生になります

思考実験

受験生が100万人いるとしましょう。一方、全国の大学の総定員が40万人だとします。受験生全員が受ける模試があって、偏差値50の人(平均点を取った人)の順位は50万位です。一方、大学には上位40万人しか入れないのですから、「偏差値50」の人はどこの大学にも合格できません。この時、すべての大学偏差値合格ライン)は50よりも高くなります

3実際にやってみると、

偏差値50以下の大学廃止」を実行した場合、初年度は大学が大きく減るでしょう。しかし、次年度以降、大学進学希望受験生が減らなければ、大学の数はそのままです。偏差値50以上ない受験生はどこの大学にも合格しない状況になります

実際は、この政策を取ると、成績下位の人たちが進学をあきらめるので、受験生母集団学力は高くなります偏差値50(平均点)の学力も徐々に上がっていって、少しずつ廃校になる学校は毎年あるでしょう。しかし、「毎年、半分ずつ、大学が減っていく」ということは起きません。

注:某官僚作家の元の発言は、偏差値に関しては間違ったことを言っていませんが、増田はその意見趣旨には賛同しません。

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