遺骨10柱が帰国 39年ぶりに実施
第二次世界大戦中のインパール作戦で多くの日本兵が死亡したミャンマーの少数民族地域で、日本政府が39年ぶりに実施した遺骨収集で見つかった遺骨10柱を4日、政府派遣団が持ち帰った。
ミャンマーで遺骨の調査を続け、収集に協力した僧侶、井本勝幸さん(51)らが厚生労働省で4日、記者会見し、「ご遺骨を帰国させられて感無量です」と語った。
インパール作戦は旧日本軍がミャンマーからインドのインパールに進攻した作戦で、雨期の山岳越えを補給不十分なまま強行し「白骨街道」と呼ばれたほどの犠牲者が出た。
遺骨がある地域はミャンマー政府と少数民族が武力対立して立ち入りが困難だったが、近年、和平が進展して収集が実現した。
井本さんは少数民族を支援するため2010年に隣国のタイに移住。約3年前からミャンマーで遺骨の調査を始め、住民に聞き取りをして遺骨がある地点を150カ所以上特定した。未調査の地域もあり、井本さんは「戦争を知っている古老が生きている今のうちに調査を進めたい」と話した。
厚労省によると、ミャンマーでは約13万7000人が戦死したが、約4万5000人の遺骨が収容できていない。【古関俊樹】