経営権争いが続くロッテホールディングス(HD)は6日、都内で臨時株主総会を開いた。経営陣への復帰を求める創業家長男で前副会長の重光宏之氏(62)側の提案はすべて反対多数で否決された。宏之氏は弟で副会長の重光昭夫氏(61)ら現経営陣を解任し、自身を取締役に選ぶことなどを求めていた。
総会は東京都新宿区のロッテHD本社で午前9時ごろに始まり30分ほどで終わった。宏之氏側の関係者によると総会には宏之氏のほか、昭夫氏や佃孝之社長(72)らロッテHDの経営陣が出席したという。創業者の重光武雄名誉会長(93)は欠席した。
宏之氏は総会終了後、記者団に対し、今回の総会で否決された議案を改めて6月の定時株主総会の議案として提出したと明かした。宏之氏は「従業員持ち株会に方針を十分に説明できなかったが、6月まで時間があるので全力を尽くしたい」と述べ、約3割の株式を持つ従業員持ち株会へ働きかけを強めていく考えを示した。
ロッテHDは「否決という結果をもってコメントに代えさせてもらう」としている。
臨時株主総会は宏之氏が社長を務めるロッテHD筆頭株主の光潤社(東京・新宿)が開催を求めていた。光潤社の出した現経営陣の解任など4つの議案がすべて否決された。
ロッテHDの経営権をめぐっては、2015年1月に同社の副会長などを解かれた宏之氏が経営陣への復帰を求め、昭夫副会長や佃社長らと争っている。宏之氏側が株主総会で過半数を取るには第2位株主である従業員持ち株会の支持を得ることが必要だ。